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俺、ツインテールになります。外伝〜追憶のテイルチェイサー〜
Episode2「おもいで」
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朝7時頃 トゥアール邸
「ふぅ……レシピ通りに作ったし、これでいいよね?」
朝六時頃からキッチンに立ち、朝食を作る。
起動から数日して、私の日課になった行動だ。
調理の知識は料理本から
丸暗記
(
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)
済みだから、簡単な食事くらいなら用意できるようになってたし、簡単なものしか作れないのにトゥアールが絶賛するから、いつの間にか食事当番は私になってしまっていた。
さて、そろそろトゥアールを起こしに行かなくちゃ。
フライパンとおたまを手に、寝室のドアを開ける。
「すぴー……すぴー……」
昨日遅くまで、また研究に時間を費やしていたらしく、トゥアールはベッドの上で眠りこけていた。
まったく、忙しいのは分かっているんだけど、ちゃんとした生活習慣を身につけて欲しい。
「ほらトゥアールおきて!朝ごはんできちゃってるよ〜!」
「すぴー……」
フライパンの裏をおたまで叩いて音を鳴らす。
でも、昨夜は深夜3時半頃まで起きていたトゥアールは、まったく起きる気配がない。
あんまり使いたくないけど、こんな時に一番の方法がある。
トゥアールの耳元に口を近づけ、一言囁いた。
「今おきないと、もう一緒にねてあげないよ?」
「起きます!起きてますよぉぉぉ!!」
一瞬にして、ロケットのようにベッドから飛び上がって起きるトゥアール。
まったく、寂しがり屋なんだから……。これで慌てて飛び起きるって、相当じゃない?
「朝ごはんもうできちゃってるから、早く食べないと時間におくれちゃうよ?」
「7時……まだゆっくり食べていられますね……。ありがとうございますシルファ、それでは早速食べちゃいましょう!」
「顔もちゃんと、あらってからね?」
「もちろんですとも!!」
洗面所にかけていくトゥアールと、フライパンを流し台に置く私。
こんな感じの朝を、かれこれ二週間近く過ごしている。
起動からかなり知識も増えた。喋り方はこの通りひらがな多めの設定なんだけど。
そして、知識が増えたことで気付いたのだが、私には他の機械にはない「感情」が備わっているらしい事を知った。
本来人間しか持ち得ないものを持っている。その理由をトゥアールは、
属性玉
(
エレメーラオーブ
)
をコアにしたからだろう、と結論づけた。
人間の感情から生まれたエネルギー、
属性力
(
エレメーラ
)
。その結晶たる
属性玉
(
エレメーラオーブ
)
から作られたのだから、そうゆう不可思議な現象が発生してもおかしくはないだろうと。
ただし調べてみたところ、私のように感情を持つ確率は奇跡にも等しいようだ。
同じ事をしても、私のような存在が発生する可能性は0をいくつも並べ、小数点のその先を答えとしなくてはならないらしい。
それ故か、
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