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俺、ツインテールになります。外伝〜追憶のテイルチェイサー〜
Episode2「おもいで」
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、両目を大きく見開いた。

「もしわたしがこわれちゃっても、トゥアールがぜったいに直してくれる。わたしはそう信じてるから……トゥアールもわたしを信じてくれる?」

顔を上げたトゥアールの目に飛び込んできたのは、金属特有の鈍い光沢を放つ黒いブレスを嵌めた小さな右腕と、正面から自分を見つめる無垢な赤い瞳。

そして、彼女が世界で一番守りたい少女の微笑みだった。

「シルファ……」
「なに?まだなにか……」

まだ何か言うつもりか。シルファがそう聞く前にトゥアールは、シルファの手を握り上体を起こすと、地面に膝を付いたまま、彼女をそっと抱きしめて、こう答えた。




「あなたを信じます」




合図はその一言で十分だった。
トゥアールは立ち上がると、シルファの隣に並び、シルファもエレメリアン達の方を振り返ると、人差し指を突き付けて叫んだ。

「よくもトゥアールをいじめてくれたわね。ゆるさないんだから!!」

そして胸の前でテイルブレスをかざす。

「馬鹿な!?あれほどのダメージを受けておいて、立ち上がれるっていうの!?」

驚くレッサーパンダギルディに、トゥアールもまた、人差し指を突き付けて叫ぶ。

「フッ、今の私はもう万人力……あなた達程度には負けません!!」

トゥアールも自身の胸の前に、青く輝くテイルブレスをかざす。

この頃は変身機構起動略語(スタートアップワード)など設定していなかったが、二人は同時に叫んでいた。

「「変身!!」」

青と黒、二色のフォトンコクーンが形成され、一瞬で弾ける。

青い方のコクーンからは、再び青のテイルギアをまとったトゥアールが。

そして黒い方のコクーンからは、黒地に紫と銀のテイルギアをまとった、トゥアールとは頭一つ分くらい小さい背丈の少女が現れた。

「「何ィ!?もう一人のツインテールの戦士、だと!?」お嬢ちゃんが成長した、だと!?」

それぞれが別々の反応をするレッサーパンダギルディとパンダギルディ。
着眼点が全然違う辺りが属性ゆえの優先順位の違いだろう。

「そこのじゃりん子!一体何者よ!!」

レッサーパンダギルディの問いに、少女は少し考える素振りを見せ、やがて答えた。

「私はチェイサーツインテール……いや、これだとイマイチか……。ツインテールを守る為、千里の果てまで悪を追う。疾風(はやて)の戦士、テイルチェイサー!!」
「テイルチェイサー……だと!?」

小声で訂正した部分など気にも留めず、お決まりのリアクションで驚くレッサーパンダギルディ。

「なら、私は今日からこう名乗りましょう。ツインテールを守る為、音をも超えて駆けつける!音速の戦士、テイルソニック!!」
「おお!!なんか今更感
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