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俺、ツインテールになります。外伝〜追憶のテイルチェイサー〜
Episode2「おもいで」
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研究室を物色し始めていた。

確かに自分が行っても邪魔かもしれないし、むしろ足手まといになってしまうかもしれない。

それでも、トゥアールを助けたい。
自分をこの世に生み出してくれた人を、大切な家族を、助けたい。

その一心で、シルファは何かを探し続ける。

「これは……ちがう。これもちがう……。あーもーこんな時に!!」

自分に戦う力はない。ならばせめて時間稼ぎだけでもしたい。

そう思い、トゥアールの発明品の中に何か使えるものが無いか探しているのだが、見つかるものは大体今の状況では何の役にも立たないような物……そもそも何に使うのか分からないような物ばかりで、シルファが望んでいるようなものは見つからなかった。

そうこうしている間にも、トゥアールは追い詰められていく。もう一刻の猶予もない。

「ほかにさがしていない所は…………あ!!そっか、高い所はまだ見てない!!」

急いで運んできた台に乗り、作業棚台の上を見る。

「あった!…って、これは……」

当たり(ビンゴ)だった。
作業台の上には設計図といくつかの作業道具。

そして、フラットな黒地に白いラインがレリーフされ、中央にツインテール属性のエンブレムがレリーフされた窪みには、透明なガラス玉のようなものがはめ込まれたブレスレット───もう一つのテイルブレスが、そこにあった。



「かっ……かわ……かわいい〜!」

二体のエレメリアンの槍の穂先に集まっていたエネルギーが霧散する。

「なっ!危ないじゃないの!そこを退きなさい!怪我じゃ済まなくなるわよ!!」

突如現れた乱入者の姿に見惚れるパンダギルディは置いといて、乱入者に警告するレッサーパンダギルディ。

予想外の乱入者に驚き、目を見開いて顔を上げるトゥアール。

「シル……ファ……?」

視線の先には、自分のおさがりを着た少女。
見慣れた銀髪のツインテール。見間違うはずがない。シルファだ。

シルファがトゥアールを庇うようにして、両腕を広げて立ち塞がっているのだ。

「どかない……」
「なに?」
「どかないっていったの。ぜったい……ぜぇ〜ったいにね!!」

レッサーパンダギルディの警告に、シルファは従わない意志を示した。

「そうそう、お嬢ちゃんが退かないって言ってるんだし、レッサーパンダギルディも無理に退いてもらおうとすることはないんじゃ……」
「アンタは黙ってな!!」

パンダギルディをスパーンと叩いて黙らせるレッサーパンダギルディ。ハリセンも無いのにいい音だ。

「シルファ……どうして……」

トゥアールに問われ、シルファは顔だけを少し後ろへ振り向かせる。

「トゥアールをたすけに来たの。わたしのしごとはトゥアールの
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