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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『白式』
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 『オーガスタス』を量子化して戻しつつ右手を掲げて4mほどの棒状の武装、槍をオープンします。何度か頭の上で振り回すと一夏さんに向けて構える。それと同時に槍の先端から白いエネルギーのようなものが放出された。

「なんだ? 槍も使えるのか?」

「当然です!」

 言ってブースターを一気に吹かす。そもそもこのIS『デザート・ホーク・カスタム』はマルチロールな機体。一夏さんの機体ほどではないけど接近戦もこなせる機動性は十分にあります。

 右手を伸ばすように槍を一気に突き出して間合いの距離を稼ぐ。

 剣とは違う圧倒的な間合い。これぞ槍の特性。更にブースターとの突進力を加えて相手への一撃離脱を目的としたこの方法は槍とは最も相性がいい戦法です。
 そしてこの槍、ヒートランス『イェーガン』は槍の先端から強烈な熱量を噴射することにより融解による貫通能力を持っています。絶対防御機能によりその溶解能力は人体への影響はないも同然だけどその熱量はなくなってはいません。

「熱っ! なんだこれ!?」

 剣で反らしたせいで体のすぐそばを槍が通過した一夏さんが驚きの声を上げました。

「ヒートランスです! 上手く避けないと火傷しますよ!」

 もちろん嘘ですがこういう脅しも素人の一夏さんだからこそ有効なときもあります。明らかに大きく避けるようになって隙が大きくなった一夏さんに柄の部分を使って鍔迫り合いに持ち込みました。

「くう!」

「ですから言ったでしょう? 貴方に不利にならなくても、私は貴方の機動をあらかじめ見ることが出来たおかげで、機体性能が違ってもある程度の行動予想が出来るんです!」

「それは俺が言い出したことだ! 俺はカルラに教えてもらって良かったと思ってる!」

「っ! ……一夏さんって良くお人好しって言われませんか?」

「言われるよ!」

「ですよ、ね!」

 私の両手首につけられた手甲が火を噴きました。
 10mm2連装ショットガン『マルゴル』。『デザート・ホーク・カスタム』の隠し武器の一つ。こういう鍔迫り合いの時くらいしか使えないほど射程は短いが意表をつくのには十分です。

「なにぃ!?」

 案の定怯んだ一夏さんの空いた腹部をヒートランスの石突の部分で思い切り弾き飛ばします。一夏さんは受け流しきれずに地面に激突して砂埃を巻き上げました。
 その瞬間に私は『イェーガン』を量子化して戻した後に『ダラマラ』を展開して構える。

「これで……!」

 再び甲高い回転音と共に『ダラマラ』から弾丸が吐き出された。回避する間もないほどの弾丸の雨が一夏さんに襲い掛かります
 あっという間に外れた弾丸で砂煙の煙幕が出来上がりあたり一面を覆っていきます。

 手加減など出来ま
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