第十八章 明木史奈救出作戦
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ター》祥子!」
銀と黒の髪の毛の、嘉嶋祥子。それに合わせたかのように銀と黒、中世騎士風の魔道着である。
「魔法使い延子!」
白い上着に、薄水色のふんわりしたスカート。
万延子の、第二中の特徴であるスカート型の魔道着だ。
所属異なる魔法使い五人の、一斉変身である。
「さ、次は飛翔魔法か。……上手く飛べるかな」
不安そうな顔のカズミである。
第三中学校の魔法使いは、アサキ以外みな飛翔魔法が苦手なのだが、特にカズミは自信がないのだ。
「大丈夫、なにかあれば、わたしがサポートするから」
赤毛赤魔道着の魔法使いは、不安を取り除くよう優しく笑った。
「頼むぜ。……でもなんか、悔しいなあ。泣き虫ヘタレなアサキが、今じゃすっかり遠い存在だよ」
「いまだって泣き虫だよ。みんながいるから、わたしだって頑張れるんだ」
わたしの、本心からの言葉だ。
いま無理して頑張っていることも。
性根はどこまでも弱く、泣き虫であることも。
弱い自分、弱くいられる自分に戻るためにも、もうちょっとだけ頑張らないと。
わたしの日常を、取り戻すためにも。
「よし、呪文唱えるぞ。唱え間違えるなよお」
一番自信のないカズミが、だからこそということか率先して、緊張した顔で呪文を唱えようとするのだが、しかし、
「待って、先生がなにか訴えてる!」
アサキの言葉に、四人は、現界側にいる須黒先生の、うっすらと見えている姿へと顔を向けた。
真っ白な闇夜、
その向こうに、ぐにゃぐにゃに歪んだ半透明の膜。
その向こうに、ぼんやり浮かぶ須黒先生。
身振り、手振り、アサキのいう通り、なにかを必死に訴えようとしている。
上を見て欲しいようだ。
と、アサキが首を少し上げた、その時である。
ブーーーーーーーーー
祥子と延子、二人のリストフォンが激しく振動した。
emergency
どちらのリストフォンにも、同じように表示されている。
出現警報に、そして、須黒先生の警告。
考えるまでもなかった。
だから、瞬間的にみな反応が出来ていた。
赤黒い光の弾丸が、天から落ちてきたが、みな、一瞬の躊躇もなく、後ろへ飛のいていた。
自分たちの立っていた地面へ、光弾が落ち、爆発。
アスファルトが、粉々に砕けて飛んだ。
ぶん
ぶん
音がして、二発目、三発目、四発目、雨霰と降り注いだ。
「じっとしてて!」
アサキは両手を高く上げた。
しゅるり、と手のひらから生じた、薄青い光の五芒星が、回転しながら大きくなり、少女たち全員を覆い隠した。
どん
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