第二章
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「それで、です」
「髭を剃られましたね」
「兵達全てにそうさせました」
軍の誰にもというのだ。
「そうしました」
「左様ですね、それでは」
「はい、間もなくです」
「動かれますね」
「そうします」
王はアリストテレスに笑って応えた、共に食事を摂りながらそうした。そして彼は実際に軍を大々的に動かしだしたが。
その強さは無類のものだった、彼は自身の軍勢をまるで戦場が空から見えている様に動かし自身も剣を振るってだった。
華麗に戦い華麗に勝った、その中で。
負け続けているギリシアの者達は唸った。
「何という強さだ」
「強過ぎるぞ」
「髭がないというのに」
「その髭を掴めないしな」
「それで引っ張って倒すことも出来ない」
「そのことも厄介だ」
「マケドニア王が髭を剃らせたのはその為か」
「だから髭を剃らせたのか」
彼等もここでわかった、マケドニア軍に敗れてその下に入って。
アレクサンドロスは全ギリシアを何なく掌握すると次はペルシア広大な領土を持つこの国に攻め込んだ、すると。
マケドニアの者達は快適に進めた、それはどうしてかというと。
「髭がないとな」
「その分涼しいな」
「髭があると熱い」
「どうしてもな」
「髪の毛も短くしているが」
「その分涼しいな」
「ペルシアの領地は暑く日差しも強いが」
「髭がないとその分楽だな」
こう言うのだった。
「対するペルシアの者達は皆髭が濃い」
「その分暑そうだな」
「暑く汗をかいて辛そうだ」
「戦の時はそれがよく出る」
「その分動きが鈍る」
「そうなっているな」
こう言うのだった、そしてだった。
その状況を見てだ、アレクサンドロスはまた言った。
「ペルシアとの戦いは即位した時から考えていた」
「その頃からですね」
「既にですね」
「もうお考えで」
「それで、ですね」
「髭を剃れば」
そうすればとだ、彼は野営地で兵達に話した。ガウガメラでの戦いに勝った直後に彼等にそこで話した。
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