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絶撃の浜風
外伝 大本営編 01 暗部
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う面もあるでしょう。でも、今は深海棲艦との戦争の最中です。為すべき事を成さずに貴方方や私たちの同胞の命が失われていく事に比べれば、そのような事は些末な事と考えますが? どうですか?」

「・・・・・それは、そうかも知れないが・・・・」

「では、そのような些事については、戦いが終わった後、また話し合いましょう。それでいかがです?」


「・・・・すまない・・・」


「私たちは、あなた方を信じます。精々馬車馬のようにこき使ってください」

「・・・ありがとう・・・・」




 新たな約定を結び、人と艦娘とは互いに手を取り合い更なる戦いへと身を投じた。お互いの信頼に応えるために、艦娘も、提督達も死力を尽くして戦った。その間、多くの職業軍人達の参入と大本営の設立、そして建造システムの実用化により艦娘の個体数が激増・・・その結果、それまでの均衡が破られ、深海棲艦は徐々に勢力を弱めていった

 だが、当初懸念されていた以上に、艦娘の殉職者が出ていた。そこには、【進軍及び撤退命令権】の約定の取り決め以降に参加した大本営寄りの軍人提督達による【艦娘の使い捨て】が横行した事による



 深海棲艦に恐れをなした軍が裸足で逃げ出していた頃、有志によって立ち上がった民間人の提督たちは、艦娘と手を取り合い、この人と艦娘の住む世界を守る為に戦ってきた

 だが、艦娘という、深海棲艦に対抗しうる【兵器】の存在を知った軍人たちは、「俺たちなら艦娘をもっと効果的に運用できる」と主張し、そこに割り込んできた。それまでは個々の繋がりでしかなかった提督間のコミュニティを統べるものとして【大本営】を設立し、鎮守府間の艦娘や資材の運用指揮をするようになった
 そして建造システムの実用化は、換えのきく【使い捨ての兵器】として艦娘を扱う軍人提督たちを横行させた

 確かに、大本営の出現は第一次深海棲艦戦争を早期終結に導く一助となった。だが、赤城以下艦娘たちと約定を交わした初期の提督たち・・・彼らの崇高な想いは、《大本営》によって、踏みにじられる形となっていた


大本営の幹部連の中に、赤城との話し合いの場に立ち会った者は一人もいなかった。しかし、その概要は伝聞で聞き及び当然知っていた



だが、無視した



戦争が沈静化した後も、


「まだ、深海棲艦の脅威がなくなったわけじゃない」


と主張し、戦後の話し合いの場を設けようとはしなかった。彼らは、艦娘に対する権限を手放す気などなかったのである




 この大本営の専横を危惧した赤城たち一・二航戦は、彼らに対する一定の抑止力として、とある約定の締結を迫っていた。幸いな事に、当時の大本営幹部連を統括する陸軍参謀総長、幕僚長は聡明な人物で、行き過
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