暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生とめでたい幽霊
第三幕その三

[8]前話 [2]次話
「こうしてだよ」
「銅像もあるんだ」
「そうなのね」
「ただ作品が残って通っていたお店が残っているだけでなく」
「こうしたものもあるんだ」
「しかしね」 
 ここで言ったのはホワイティでした。
「随分独特なお洒落だね」
「着流しの上にマントとかいいね」
「そうよね」
 チープサイドの家族も言います。
「そこに帽子なんて」
「ちょっとない服装でね」
「和服の上にマントなんてね」
 ジップも唸っています。
「そこに帽子って」
「これって当時の日本のファッションよね」
 ガブガブも言いました。
「着物にパラソルなんてのものあったわね」
「戦争までのファッションね」
 ポリネシアもそのファッションを見ています。
「これはこれでいいわね」
「これで街歩いたら」
 どうかとです、チーチーは言いました。
「かなり粋だね」
「今このファッションで出てもいいと思うよ」
 老馬もこう言います。
「かなりお洒落だよ」
「マントに帽子、着流しなんて」
 ダブダブも見事という感じです。
「ちょっとやそっとじゃないね」
「織田作之助さんって粋でもあったのかな」
 こう言ったのはトートーです。
「やっぱり」
「いやあ、いい具合の粋だね」
「これは凄いよ」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「何かこうね」
「戦争前までのファッションのよさを感じるよ」
「うん、僕も見て思うよ」
 先生にしてもでした。
「織田作之助さんは街、つまり都会で生まれ育ったって一面もあるんだ」
「大阪人ってだけでなくて」
「都会人でもあるんだね」
「当時都会は流行の最先端だったね」
「そうだったね」
「モダンとかモカは戦後だったけれどね」
 この言葉も出しました。
「ロカビリーとかね、けれど戦前の日本もね」
「お洒落だったんだね」
「それで織田作之助さんもそうで」
「都会人のお洒落を身に着けていたんだ」
「そうだったんだ」
「大阪の庶民性と人情にね」
 そういったものに加えてというのです。
「都会人の粋さもね」
「備えていたんだ」
「それでこのファッションだね」
「粋で恰好いい」
「そうした人でもあったんだ」
「それで着流しの写真も残っていて」
 そしてというのです。
「洋服も着ていたよ、バーで飲んだ時の写真も」
「粋だったんだ」
「その時の写真を見ても」
「そんな人だったのね」
「そうだよ、お顔はこんな風でね」
 銅像のそちらも見ます、面長で目は小さいです。
「こうした服装だったんだ」
「結構もてる感じね」
「このファッションも相まって」
「それでね」
「そうだね、しかし着流しにマントに帽子なんて」
 また言う先生でした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ