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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
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感じ。ありがとね。」
編まれた三つ編みを前に持ってきて確認する。
うん。ちゃんと出来てる。
「じゃあ朝ご飯作るからちょっと待っててね。」
「おう。なんならおれは仕事を進めてくるヨ。」
お栄ちゃんは作業場へと向かい、僕は台所へと向かう。
「色々…思い出しちゃったな…。」
三つ編みを手でいじりながら、そう呟く。
たまたま彼の夢を見てしまったからだろう。前の世界のこと、彼との思い出が色々頭に浮かんできた。
初めて会った時のことや、馴れ初めの話。
何かと僕に女装を迫ったり、絵を描いて欲しいと頼み込んできたり、
本当に、彼は騒がしいサーヴァントだった。
鬱陶しくて、邪魔でしょうがなくて…。
でも、いなくなったらいなくなったらで、静かになりすぎてとても寂しくて…。
「会いたいな…もう一度。」
?
「…ねぇ。」
「うん、なになに?」
「動かないまま聞いて欲しいんだけどさ…。」
この世界ではない、どこかの街。
そこにある学校の美術室に僕らはいた。
「君はさ、男でしょ。」
「うん、いかにも。ボクはれっきとした男の子さ!一緒にお風呂にも入ったしそれは知ってるでしょ?」
「…。」
絵を描いて欲しい。
アストルフォは、そう僕にせがむ。
いつもいつも、毎日毎日。
じゃあお栄ちゃんに描いてもらえばいいじゃん。僕よりずっと絵の上手い人に頼んだ方がいいよ。
そう言って突っぱねたこともあるけど、帰ってくる答えはいつも一緒だ。
ボクは、舞くんに描いてもらいたいんだ。って。
「見せよっか?」
「いい!!描いてもらってるんだからじっとしてて!!」
何度も何度も何度も何度も、彼はしつこかった。
そしてついに、僕から折れた。
「かっこよく描いてね。あ!かわいく描いてもらおっかなぁ…。うーんどうしよう。服も着替えてきた方が良かったかなぁ…。」
「そのままでいいよ。」
放課後に美術室に呼び、彼を椅子に座らせ僕はペンをとってキャンパスに彼を描く。
なんでも額縁に入れて飾りたいそうだ。
「ところでさ、さっきの質問なんだけど…。」
「あ、うん。」
うっかり質問の途中だったことを忘れていた。
「ボクがどうして女の子の格好をしているか、だっけ?」
「うん。男なら、男の格好をすればいいのにって前から思ってた。」
「なぁにカンタンさ!答えは至ってシンプル!”それがボクに似合うから”!」
と、彼はさも当然のように答えてくれた。
似合うから、着る。それだけだった。
「人生っていうのは一度きりなんだ。って、サーヴァントのボクが言ってもなんの説得力もないけどね。ともかく、一度きりの人生、周りの目なんて気にしないで自分の好きに、思うがままに
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