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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
昔の話
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えてくれたのなら、アストルフォは自分らしく生きる生き方を教えてくれた。
あの時はずぅっとツンケンした態度をとっていたけど、今となってはそう、
ちゃんと会って、ありがとうとお礼が言いたい。
?
「…。」
鳥のさえずりで目を覚ます。
ゆっくりと上半身を起こし、辺りを見回すとそこは自宅。
崩壊世界での僕の自宅だ。
「懐かしかったな…。」
夢を見ていた。
昔の夢、僕が、前の世界でまだ普通の高校生だった頃の夢。
友達がいて、お栄ちゃんがいて、そして…
「してあげれば良かったな…女装デート。」
彼がいた。
「誰とでえとするんだい?」
「!」
振り向けばそこにはお栄ちゃん。
いつもは僕より遅いのに、今日は早起きらしい。
「ううん。なんでもない。ちょっと昔のこと思い出してて。」
「あいつ…あすとるふぉのことか。」
僕の顔を見るとお栄ちゃんは察する。
彼のことはお栄ちゃんもちゃんと知ってる。
いつも騒がしくて、何かある事に僕に突っかかってくるサーヴァント。
僕と彼がイチャつくことに関してはお栄ちゃんは別に何してもいいよと言っていた。
「なんならおれの前でおっぱじめてくれてかまわねぇ。描くから。」なんて言われた時はどうしようかと思った時もあったけどね。
「そうだマイ。」
するとお栄ちゃんは僕をそばに来るように呼んだ。
「こっち来ナ。髪、結ってやるヨ。」
その場に座り、床をとんとんと叩く。
いつも髪は自分で結っているけど、折角だ。お栄ちゃんに少しだけ甘えよう。
「ほんっと…綺麗な黒髪サァ。艶もあってサラサラして、手櫛で指が引っかかりもしねぇ。くせ毛のおれとは大違いだ。」
僕を座らせ、僕の髪の毛の触り心地を堪能しているお栄ちゃん。
腰まである僕の髪の毛。
実は前の世界にいた頃はここまで髪は長くなかった。
この世界に投げ出されて、がむしゃらに生き抜いていくうちにここまで伸びたんだ。
「これも、あいつの真似だろう?」
「…うん。」
そう言いながら、お栄ちゃんは僕の後ろ髪をとって編んでいく。
いわゆる三つ編み。いつも僕はそうして後ろの髪をまとめている。
お栄ちゃんの言う通り彼の真似。ライダーのアストルフォと同じ結び方だ。
「あと…めっしゅって言うんだったか、それ。」
「うん。これも真似。」
前髪の一部を白く染めているのもそうだ。
染めたのはこちらの世界に来てから。
髪型を真似することで、彼に勇気をもらったような感じがしたからこうした。
そうすることで、ぼくはここまで生き延びることが出来たんだ。
「よし、できた。」
肩をトンと叩かれ、お栄ちゃんは立ち上がる。
「どうだい?」
「うん。いい
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