第一章
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避難してきた虎
ロシアロストフ州のロストフ=ナ=ドヌー動物園で虎の飼育係をしているフョードル=ナゴロフスキーは今虎のうちの一匹である雌のソフィアの様子を見て首を傾げさせた、大柄でボディービルダーの様な体格で売刷り金髪でライトブルーの目の優しい顔の青年である。
「あれっ、この猫」
「ああ、お前知らないか。ミカエラっていうんだ」
先輩が彼に言ってきた。
「この動物園に住んでいるんだ」
「そうなんですか」
「半分園長さんが飼育しているな」
そうしたというのだ。
「そうした猫なんだ」
「そんな猫なんですね」
「ああ、別に気にしなくていいからな」
先輩はヤゴロフスキーに何でもない顔で話した。
「本当にな」
「そうなんですね、ただあの猫」
見れば三毛猫の雌だ、その彼女がだ。
ガラス越しにソフィアと見つめ合っている、そして。
「ガウガウ」
「ニャ〜〜ン」
お互いに喉を鳴らして親しい感じを見せている、それでナゴロフスキーは先輩にその光景を見せて話した。
「ああしてです」
「ソフィアと仲いい感じだな」
「そうなんですよ」
「それもあるだろ」
先輩はあっさりした口調で答えた。
「虎も猫も同じネコ科だろ」
「親戚同士ですね」
「そうだからな」
「仲がいいこともですか」
「普通だろ、仲が悪いなら問題だがな」
それならというのだ。
「仲がいいならな」
「それならですか」
「問題ないな、それにガラス越しだからな」
「余計に大丈夫ですね」
「虎が全速力で体当たりしてもびくともしないガラスだ」
そうした特別なガラスである。
「それ越しだからな」
「尚更ですね」
「大丈夫だ、安心してな」
そうしてというのだ。
「見ていればいいですか」
「仲がよくてガラス越しで」
「ガラスも頑丈だからな」
「それじゃあこれからも」
「見ていればいいさ」
先輩は笑顔で言った、それでナゴロフスキーもだった。
すぐにソフィアとミカエラを優しく見守ることにした、その彼が虎の飼育の研修でインドのアッサム州に来ている時にだ。
地元の自然保護団体から依頼を受けてある民家に言った、するとそこにはだった。
ベッドの上で一匹の虎が気持ちよさそうに寝ていた、ナゴロフスキーはその光景にまさかと思って団体のスタッフ達に問うた。
「あの、これは」
「はい、何でもです」
スタッフの一人が彼に答えて話した。
「近くの動物公園から逃げてきたみたいで」
「ああ、最近ここは洪水で」
「動物病院にも被害が出ていますね」
「はい、大変なことになっていますね」
それでナゴロフスキーも動物公園の生きもの達の保護に積極的に働いている。
「残念です」
「災害は驚異ですよ」
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