暁 〜小説投稿サイト〜
自分そっくりなので
第一章
[1/2]

[1] 最後 [2]次話
               自分そっくりなので
 洋介は百田家の夫がいた会社での彼の同僚から受け取ったふわりそっくりのトイプードルのぬいぐるみを家に持って帰った、そして。
 晩ご飯を出す母と先に仕事から帰っていた父にだった。
 そのぬいぐるみを見せた、するとまずは母が言った。
「あら、これはまた」
「ふわりそっくりだろ」
「ええ」 
 息子にそのぬいぐるみを見つつ話した。
「見れば見る程ね」
「そうだよな、だからな」
「貰ったのね」
「旦那がいた会社の同僚の人からな」
「最初はあの二人に嫌がらせでよね」
「出したものでな」
 それでというのだ。
「今はな」
「私達への贈りもので」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「出る声も変えてくれたんだよ」
「あの二人への嫌がらせの声じゃなかったわね」
「あの二人に相応しいな」 
 そうしたというのだ。
「そうした声だったけれどな」
「それを変えたのね」
「そうしてな」
「あんたにくれたのね」
「そうだったんだよ」
「成程ね」
「それでなんだよ」
 息子は母にさらに話した。
「今日からこのぬいぐるみもな」
「一緒ね」
「俺達とな」
「面白いわね、また」
「あいつ等にはいい報いだ」
 父は冷たい声で話した、三人で今から夕食を食べるところでちゃぶ台を囲んでいる。食事は今から運ぶところだ。
「本当にな」
「そうだよな」
「そうだ、ああした奴等にはな」
「そうしたことをしてもか」
「いいんだ、心底腐った屑にはな」
 それこそというのだ。
「俺はそう考えている」
「そうしたことをしてもか」
「家のものを全部売って家の中を空にしてもな」
 そうしてもというのだ。
「それでいいんだ」
「そこまでしてとか思ってるけれどな、俺は」
「好意や愛情を向けるに値しない奴もいるんだ」
 父は息子に真剣な顔で話した。
「それがだ」
「あの夫婦なんだな」
「そうだ、愛情や好意を向けても何とも思わないでな」
「ああしたことをする連中はか」
「自分の子供でさえ捨ててほったらかしにするんだ」
 彼等の過去のその行いを話した。
「そんな連中にはな」
「そうしたことをしてもか」
「いいんだ、徹底的にやってもな」
「そういうことなんだな」
「ああ、俺の考えではそうだ」
「屑には容赦するなか」
「そういうことだ」
 こう息子に話した。
「それでだ、あの連中への仕打ちはな」
「親父達も会社の人達もか」
「当然だ、まだそうしたことはあるだろうがな」
「報いは受け続けるんだな」
「どうせ反省しない連中だ」
 彼等のこのこともわかって話した。
「だからな」
「また報い受けるか」
「そうなる、それでだけれどな」
 父はこ
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ