第二百三十七話 最後の場所その十
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「頭に入れてな」
「戦うか」
「そうしていくか、じゃあ戦の用意に入るな」
こう言ってだった。
久志は帝国全土に戦の用意を命じた、そうしてだった。
帝国はその巨大な力を再び戦に向かわせていった、だが。
「何かな」
「動きがだね」
「遅いな」
久志はローマで仲間達との会議中に剛に述べた。
「これまでよりもな」
「それは仕方ないね」
剛は久志に微笑んで答えた。
「やっぱりね」
「領土が大きくなったからか」
「そう、大きかったらね」
それならというのだ。
「その分だよ」
「動きも遅くなるか」
「少なくとも初動はね」
「そんなものか」
「これまでは気にならなかったけれど」
初動の遅さ、それがというのだ。
「騎士団とか三国を倒してね」
「領土も人口もかなり増えたしな」
「だからなね」
「その分か」
「初動が遅くなっているよ」
「そういうことか」
「脳から指示を出して」
そうしてというのだ。
「それが心臓にまでいって」
「それから血が流れてな」
「巨体だとね」
「その分遅いな」
「恐竜なんかね」
この生物はというのだ。
「巨大過ぎて」
「動きが鈍かったな」
「今の僕達は言うなら」
まさにというのだ。
「恐竜だよ」
「恐竜だからか」
「そう、だからね」
「動きも遅いか」
「初動もね、まして帝国は中央集権制で」
「このローマを中心としてな」
「指示を出してるね」
「分割統治も考えたけれどな」
「それよりもだね」
「ああ、副都も置いてるしな」
各地にというのだ。
「それでそこからもな」
「指示も出してるね」
「そうもしてるけれどね」
「やっぱり中央集権だし」
「そうした国家システムだからな」
それでというのだ、一気に国力を高めて海の魔神に対する力を備える為に久志達は中央集権システムを採ったのだ。
「だからな」
「辺境まで指示が届くにもね」
「ある程度時間がかかるか」
「そうだよ」
そういうことだというのだ。
「特にスコットランドとかね」
「ペテルブルグになるとな」
「移動の術で一瞬で伝えても」
「動くタイムロスはあるな」
「実際にね」
「それでか」
「このことは仕方ないよ」
「そういうことか」
「だからね」
それでというのだ。
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