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リュカ伝の外伝
やっぱり僕は歌が好き 第三楽章「心底性格の悪い奴ら」
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なのは、お前の行動を見て僕等が如何(どう)感じたかが問題なんだよ。そして明言してやる……この場に居る全ての人……勿論、お前を除いてだが……全ての人が、お前は口論に負けて、こちらの美女を斬り殺そうとしたと思っている」

「だ、だから……それは……違うと……」
「グスタフ中尉。もう口を開くな。既にドツボにはまってるんだ……これ以上藻掻くと助ける事もままならなくなる」

ピエ(ピエッサ)の彼氏が兵士を諫めた。
その際に『はっ!』と言って敬礼をしてたから、総参謀長の方が偉い事が覗える。
ただどのくらい偉いのかは分からない。多分、そんなに偉くは無いんだと思う。

「そこの性格の悪い宰相閣下殿に物申す!」
「何だね性格の悪そうな一般市民君?」
性格悪っ! 相手の正体が誰だか解っててニヤニヤこんな台詞を吐いていやがる。

「勿論今回の件だ!」
「勿論今回の件か!」
当たり前だろ。

「もし僕のやってる事(ストリート・ミュージシャン)が商売と認定されるのなら、僕もこの場に居る人たちも……いやこの国の国民全てが税金の支払いを拒否するし、それを咎める事を許さないぞ!」
「おやおや……納税は国民の義務だろう」

「僕等一般市民は、性格の善し悪しに関わらず国家運営の為に納税している。だけどその税金で飯を食ってる兵士が、口喧嘩に負けたぐらいで一般市民に攻撃しそうに……もしくはそんな恐怖を味合わせる連中に金なんて払えるか! こちらの美女の例えを借りて言えば、食事をしに入ったレストランで突然包丁で襲いかかってくる店に金を払いたいと思うか?」

「スリリングな毎日を過ごせてイイじゃないか」
「なるほど〜……スリリングねぇ」
性悪宰相の一言に心から感銘を受けてない声で頷く陛下……

次の瞬間!
(ドカッ!)「ぐはぁぁぁ!!!!」
一瞬で下っ端兵士に詰め寄り其奴の腹部に見るからに強烈な一撃をお見舞いする。

何故素人にも強烈である事が判るかというと……
兵士は頑丈そうな鎧を装備しているのだが、その鎧を信じられないくらいヘコませる一撃だったからである。

それを見た総参謀長と軍務大臣閣下は、慌てて兵士から鎧を外してあげていた。
へっこんでる鎧が腹部に食い込んでる状態が危険だと思ったのだろう。
因みに性悪宰相閣下は、苦しむ兵士と慌てる総参謀長と軍務大臣閣下を眺めてるだけだった。

「おい一般兵士……スリリングだったろ? 金払え!」
「はははっ……そうだね。おい中尉、支払って差し上げろ。この方は他者に突然殴りかかりスリリングな一時を提供する商売をしてらっしゃる方だ。お前が代金を支払えば、この方はストリート・ミュージシャンも商売と認め、お前に素直に取り締まられてくれるし、国民が今後も税金を支払ってくれる。丸く収まるぞ(ニ
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