第二章
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「怪我じゃ済まない、死ぬぞ」
「そうですよね」
「監督相手にぶつけるだけでも絶対に駄目って言ってるのに」
「頭でなんて」
「問題外だ、酷い連中だな」
伊原は驚きから怒りに変わった、だが。
その判定を聞いて我が耳を疑った。
「なっ、ファール!?」
「あの、ファールって」
「今の当たってましたよ」
「そうなっていましたよ」
「頭に当たってファールなんてはじめて見た」
これは実際のことだ。
「とんでもないぞ」
「まさかと思うんですが」
「審判さんって」
「相手チームに」
「こんなの巨人の試合でも退場だ」
反則球とされてだ、実際にそうしたこともあった。
「贔屓の審判でも見過ごさないぞ」
「これがファールになるなんて」
「どう見てもですよね」
「おかしいですね」
「ぶつけられた選手も驚いているじゃないか」
判定がファールでだ。
「どうなっているんだ」
「あの、審判の間で話し合いになっていて」
「それで今デッドボールになりましたね」
「そうなりましたね」
「ああ、しかし酷い判定だったな」
伊原は唖然としたまま言った、彼のこれまでの野球人生で見たことも聞いたこともない判定だったからだ。
「監督も驚いた」
「相手チームの監督判定に抗議してますよ」
「何でデッドボールかって」
「そうした風に」
「これも酷いな」
実にと言うのだった。
「こんな最低なことははじめてだ、皆こんなことはするな」
「わかりました」
「そうします」
「本当に酷いですよね」
「あんまりですよね」
「酷いと思うならしないことだ」
絶対にというのだ。
「自分はな」
「わかりました」
「そうします」
「僕達も」
「まさかこんなものを観るとは思わなかった」
伊原は心から思った、そして子供達に野球もやってはいけないことも教えていった。だが彼は再びだった。
今度はアジア大会、その試合での日本の相手チームだったその国の主催のものを機会があって調べてそうして言った。
「何だこれは」
「どうしたの?」
「いや、最低なんてものじゃない」
妻にインターネットでその大会の顛末を調べて話した。
「スポーツマンシップも何もあったもんじゃない」
「そんなに酷いの」
「知り合いに言われて調べたが」
そうすればというのだ。
「これはだ」
「酷いのね」
「前に観たビーンボールも酷かったが」
「もっと酷いの」
「こんなスポーツの国際大会があるのか」
自分のスマートフォンの画面を見て顎が外れそうになっている。
「はじめて知った」
「そこまで言うのね」
「とんでもない不祥事が一日に三つか四つ起こっている」
「毎日?」
「はじまってから最後までな」
まさにそこまでというのだ。
「
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