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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてウィステリアは、デビューする
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手を使ったの!!」
「それはもう、」
「ねぇ?」
二人は顔を合わせ、笑顔で頷き合う。
「持てる手段は全て使ったわ。反則にならない程度のね。それに私は敏腕プロデューサーへカP!ド素人の二人を1週間で立派なアイドルにするなんて造作もないのよん?」
(まぁほとんどはボクのおかげというか幻想郷の人達のおかげなんだけど…ここは名誉の為に黙っとこ。)
そう、持てる手段は全て使った。
あれからあたし達は咲夜さんの能力で時の止まった世界にて何度も何度もリハーサルをした。
それこそ、血のにじむほどに。
納得いくまでやった。めげそうになったことあったけどやった。
こうした方がいいんじゃないか、ここはあのままの方がいいんじゃないか?
香子と意見を出し合ったりしたし時には衝突して言い合いになったり喧嘩したりもした。でも、それを乗り越えてあたし達はより絆を深めたんだ。
それからあたし達は何週間にも感じられた特訓を経たわけだが、実際過ぎた時間はほんの数分。
そしてあたし達は、次の行動に出る。
宣伝、ミニライブ、とにかく人気を出すためにはそれをやらなきゃいけない。
宣伝はソフィーが幻想郷から天狗を呼び出し、ものすごい速さでこの街を飛んであたし達で作ったウィステリアの宣伝広告をばら撒く。
そしてライブ。
残った2日間はとにかくライブだ。
疲れたのなら時を止めてもらってその中で休めばいい。
咲夜さんには申し訳なかったけど、そのおかげてあたし達は一切の時間を無駄にすることなく使い切れた。
そうした結果が、これだ。
「待ってたぞウィステリアー!!」
「葵様ー!!こっち目線くださーい!!」
「紫式部さん手を振ったぞ!俺だ!俺に手を振ってくれたんだ。」「いや違う俺に決まってんだろ!!」
ものすごい人気ぶり、
正直、あたし達もここまで人気が出るとは思わなかった。
けど、これなら対等に戦える…!
「やぁ。」
「あなたは…雷鼓さん!」
気付けば後ろにはドラムセット、そこには雷鼓さんがいた。
「キミ達の晴れ舞台だ。最高のリズムを刻んでくれ。私達も最高の演奏で彩るよ。」
そういい、左右にいるのは雷鼓さんの仲間だろうか、また新しく二人の幻想郷の住人がいた。
あとから聞いたが九十九姉妹というそうだ。ともかくこの三人が、あたし達のライブをさらに盛り上げてくれる。
「香子。」
「…。」
目を合わせ。互いに頷く。
背中を合わせ、マイクを持ち、ここからはあたしと香子のステージが始まる。
「それでは…。」
「まず一曲目!『Sweet Nightmare』からいくよ!」
天を指さし、曲を宣言。
ミニライブでも何度か歌った馴染みの歌。
雷鼓さんがドラムを叩くと皆一斉に歓声が上がった。
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