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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてウィステリアは、デビューする
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どうやら何が起きたのかご理解頂けない様子。では窓をご覧になっては、如何でしょうか?」
「窓…窓って…!?」

窓を見る。
異変は窓に起きているのではなく、窓の外に起きていた。

「鳥が…”飛んだまま”…!?」

窓から見える中庭の木々。
そこから今まさに飛び立ったであろう鳥が、空中に静止していた。
ホバリングではない、まるで

「時が止まったかのようです…。」

木から落ちた葉が空中で静止し、花々も風に揺られたまま。
香子の言ったように、
時が止まっているかのようだった。

「じゃあこの咲夜さんって人はまさか…!」
「ええ、そのまさかでございます。」

懐中時計をしまい。咲夜さんといったメイド長はスカートの端を少し持ちあげ礼をした。

「私の世界。この中では時は動かない。時が進まないのであれば、練習の時間は無限にあるのと一緒。例え空いた時間が十分だとしても、これならば一日中練習するのとそう変わりないでしょう?」
「すごい…。」

彼女の能力はお察しの通り、時を止める能力。
生憎、サーヴァントにはそういった反則的能力を持つものはいない。
そう考えるともし彼女が敵に回った場合がものすごく恐ろしいが、ここは召喚してくれたソフィーに、そして咲夜さん本人にも感謝しよう。

「では、ここでなら思う存分リハーサルが出来るでしょうから。」
「うん。ありがとう…十六夜さん。」
「咲夜さんで構いませんよ。あなたは確か…葵さんでよろしかったでしょうか?」

時を止められるというとんでもない能力を持った幻想郷の住人、十六夜咲夜。
これほどの反則じみた能力を持った人達がうじゃうじゃいるのかと思うと、正直幻想郷とは魔境なのではないかと恐ろしくなる。

ソフィーはそんなところで育った。
噂に聞いた”サーヴァントすら凌駕する力を持つ”というのは、実は本当なのかもしれない。

「さ、練習しよっか!」

パンパンとソフィーが手を叩き、レッスンもといリハーサルが始まる。
彼女の後ろにはいつの間にか新しく呼ばれた二人。
こころちゃんに雷鼓さんと、かつてお世話になったあの二人だ。

「葵様。」

時が止まった世界の中、香子があたしの名前を呼んだ。

「後はもう、リハーサルあるのみです。ここまで来れば私も、行くところまで行く所存ですので。」
「そうだね。立派なアイドルになって、あいつらをギャフンと言わせてやろうか!」

あっちにもあっちの事情があるが、こっちにもこっちの事情がある。
だから負けられない、だから全力でぶつかってやるんだ。


?

約束の日。
アイドル対決当日。

臨時で作られたにしてはかなり手の込んだステージ。
その観客席には続々と人が集まっていた。

「す
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