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ボクの瞳に映る願い
それがボクの願い事

前書き [1]後書き
 それはとある夏の日のこと。
 その日は雲一つない綺麗な青い空、快晴だった。
暑いと言う感情は残念ながら、ボクには無い。ただ周りで鳴く蝉が鬱陶しい程煩かったのを覚えている


 風は一応吹いていたが、涼しい風ではなかった。無風なんじゃないかと疑う程に風は吹いていた。


《……本当に言っているのかい?》


 ボクの目の前にいるボクに似た白い地球外生命体
インキュベーター……通称、キュゥべえがもう一度確認を取った。ボクもインキュベーターであり、キュゥべえでもあるが相違点がある。それは_____。


    【感情を持っている】ということ


『本当に言ってるよ、キュゥべえ』


 自分の名を呼ぶのはやはり違和感がある。それが違う個体でもだ。同一種で同じ名を持つ地球外生命体なのだから。違和感があるのは仕方がない。


 ボクの本気が伝わったのか、キュゥべえはこれ以上確認を取ることは無かった。何故、こんな確認を取るのか。それはボクの頼みが原因だった。


《分かった。さぁ、キミの願いを言ってごらん》


 キュゥべえがボクにそう問う。「ボクの願い」。
そんなのもうずっと前から決まっていた。


『_____皆の役に立ちたい。魔法少女になって、皆と戦いたい。仲間だと言ってくれた彼女たちの役に』


 ボクの頼みは“魔法少女になること”だった。ボクたちインキュベーターは魔法少女の素質がある少女の願いを一つ叶え、その代わり魔法少女になって貰う約目がある。だけど、そんな自分が嫌いだった。


 ボクたちは彼女たちを騙した。真実を伝えず、濁し魔法少女にさせ……沢山の少女に絶望を与えた。
宇宙が危険だからと言って、沢山の少女を犠牲にした。罪滅ぼしとまではいかなくとも、少しでも彼女たちの傍に寄り添いたい。同じ場所で一緒にいたい


《もう一度聞くよ?それが君の望む願いかい?》


 最後に一度、また聞いた。ボクの願いに迷いはない。この願いはボクが唯一皆にしてあげたいこと。


 大切な_宝物@気持ち_を沢山くれた彼女たちにしてあげたいこと。それがボクの魂を差し上げてまで、してあげたいことなのだ。彼女たちが、皆が大好きだから。


『もちろん』


 そんな願いが、そんな夢がボクに出来るのなら、何だってしてあげたいから。ボクはそう答えた。


 _____その日、ボクは魔法少女になった。
 その日、ボクは彼女たちと同じ場所で生きることを選んだ
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