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リリカルなのは〜優しき狂王〜
第十五話〜アグスタ〜
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ライ「……」

 ライが受付を済ませ、四人が周りに人がいないフロアに来てからはやてがそう切り出した。
 はやての言う“建前”とはライの立場と機動六課の関わりであった。
 ライが機動六課に民間協力者として参加するにあたり、管理局の上層部より警告を受けたのだ。「ライ・ランペルージが機動六課に協力する場合、隊員のいずれかを異動させるか、隊長格のリミッターを強化し部隊の保有ランクを調整せよ」と。
 これはライの保有魔力が平均よりも少し高めのAランクであること。そして模擬戦での計測から陸戦AA−であったためである。民間からの協力者とはいえ、一部隊の保有できる戦力が規定されているためにライの戦力は軽視できるものではなかったのだ。
 この警告に対してはやては妥協案としてライの交戦規定を設定したのだ。それは大きく分けて二つ。「戦闘にナイトメアフレームが介入した場合」、「ロストロギア・レリックの関係する事件または戦闘が起こった場合」である。そのおかげで六課に出された警告の条件を満たさずとも現状を維持できていた。
 今回ライが事前にアグスタの護衛に同行できたのはアグスタでのオークションが一般人も参加できるものであるからだ。
 ライがこの話を聞いた時の感想はただ一つ。

ライ「くだらない。」

 というものである。
 管理局の問題の最大にして最も簡単な理由は「人手不足」である。その名目で『一つの部隊の保有戦力を設定し、各部隊に満遍なく人手を配置する。』という規則が生まれている。理にかなっているように聞こえる規則であるがライにとっては真逆であった。
 部隊の戦力にばらつきがあったとしてもその分、担当範囲の調整や勤務時間の変更などを行う方が今よりも犯罪の件数は減ると考えている。なのは達のような優秀な隊長陣の活動を規則の存在で縮小させるのは本末転倒なのである。
 そしてライはそれについてもう一つの仮説を立てている。それは反抗勢力の分散である。管理局の現体制に疑問を持つ者や反感を抱くものも少なからず存在する。むしろそう言う存在のいない組織の方がおかしい。その対策として力を持ち過ぎた部隊の反乱を防ぐ保身のための措置であると考えたのだ。反乱を起こしたとしても一つの部隊の保有できる戦力が決まっている以上、それを上回る戦力を送り鎮圧できる。また各地で情報のやり取りをしようとしても管理局の本来の仕事をしなければならいのだ。下手に仕事の方に影響が出れば自分から何かをしているとアピールするようなものなのだから。
 管理局の裏側について思考の海に沈んでいたライは自分の愛機から発せられた音で現実に引き戻された。

シャマル『ガジェット反応多数こちらに接近中。それにその後方にナイトメアフレームの反応もあります!』



アグスタ・ホテル正面


 シャマ
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