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絶撃の浜風
外伝 赤城編 03 一航戦暗黒神話T
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「そ、その前に、教えてくれっ! 何故貴様は俺に攻撃出来る? アドミラル権限以前に、人に危害を加えられるわけが・・・」



「・・・そうですね・・・月並みですが、冥土のみやげに教えてあげましょう」



「や、待ってくれ、殺さないでっ!!!」



「だったら、ちゃっちゃと喋っちゃって下さい。私の気が変わらないうちに」

 

「あ、あれは、わざとじゃない、失念していただけだ。ほ、本当だっ!!」





「・・・・は? 何を言ってるんです?」






すると、鳳翔が二人の間に割って入る






「それは・・・本当ですか? 提督?」




「ほ、本当だっ! 艦娘が、元は人間だったなんて・・・知らなかったわけじゃないが、興味がなかったんで”うろ覚え”だったんだ。後で気がついてやばいって思ったんだっ!」




「・・・・・・・」




「?・・・鳳翔さん、提督は何の事を言っているのですか?」





苦悶の表情を浮かべ、鳳翔は吐き出すように語りはじめた




「・・・赤城ちゃんが来る少し前、深雪ちゃんが轟沈しました。碌な装備も持たされず、道中大破したんです・・・・・それで・・・・・」












「・・・・!?・・・・・・まさか・・・・」






赤城は、鳳翔が何を言おうとしているのか理解した














「・・・・お前・・・やったのか!?・・・《大破進軍》を!!!!」
















彼、某提督は、Lv.1の特型駆逐艦・深雪を、初期装備だけで南西諸島哨戒任務に同行させた。そして、道中大破した深雪を無視し任務を優先、鳳翔に《大破進軍》を命じた。結果、深雪は轟沈。LOST(帰らぬ人)となった





 任務における《進軍》の命令は、提督の有する最も強い権限であり、艦娘はこれを拒否出来ない




彼曰く、



「私は、任務を遂行したに過ぎない。道中大破するような弱い者を任務に当たらせると、こうなる事はわかっていたはずだ」


と。





信じがたい事だが、彼は、艦娘が元は人間が覚醒した存在だという事実を失念していた

 元々中央省庁勤めを希望していた彼は、某鎮守府に配属されるまで、艦娘について殆ど何も知らなかったのである


 後で気付き、《まずい事をした》と彼は思った。艦艇が擬人化した初代艦娘と違い、人から覚醒した現代の艦娘には人権がある。当然の事ながら必然性のない大破進軍は禁止
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