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着飾る理由
第二章

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「今日は独身の男の人も来られますね」
「そうよ、それでなのね」
「お洒落してみました」
「凄いわね、決まってるわ」
「そうですか」
「ちなみに下着は?」
「上下共白です」 
 色で返事をした。
「おろしたての普通のデザインの」
「シンプル系?」
「それがこの服装には一番合うと思いまして」
「それでなのね」
「この下着にしました」
 そうしたというのだ。
「今日は」
「そうなのね」
「黒も考えましたが」
「黒なのね」
「それはガーターストッキングの時がいいと思いまして」
「ガーターの時はそれに合わせるのね」
「色は。ですが今日はパンストなので」
 こちらのストッキングだからだというのだ。
「ですから」
「白ね」
「そうしました」
「考えてるわね」
 友人はここまで聞いて感心した。
「下着までなんて」
「独身の方とお会いするのなら」
「あんたも独身だし」
「ゲットする為に」
 言葉は本気だった。
「決めてきました、では今から」
「ええ、合コン行きましょう」
「それでは」
 友人に微笑んで言ってだった。
 由美はその友人と共に合コンに行った、そうして独身という男性達と親しく話した。だが翌日の学校では。
 いつも通りのジャージにノーメイク、眼鏡であった。色気なぞ何一つもない恰好であった。それでまた校長は言った。
「身だしなみにも気を使って欲しいと」
「気を使っていますので」
「その恰好ですか」
「動きやすくて露出がないので」
 あくまでというのだ、だが友人達と海に出ると。
 やはり違った、脱ぐと見事なスタイルで胸は大きく腰はくびれお尻のラインもいい。その肢体を黒ビキニで覆っている。
 その彼女を見て友人達は言った。
「まさにボン、キュッ、ボンね」
「それで黒ビキニってね」
「女の私でもぐっとくるわよ」
「私もよ」
「独身の男の人もおられる場所なので」
 由美はここでも微笑んで答えた。
「ですから」
「その恰好ね」
「決めてるのね」
「そうなのね」
「メイクも海用にしました」
 見ればそちらも整えていた、艶やかなものである。
「ではこれより遊びましょう」
「絶対にナンパされるわよ」
「今から予言するわ」
「あんたそうなるわよ」
 友人達も水着姿であるが由美が一番そうなると言った、そして実際にだった。
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