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或る皇国将校の回想録
第二部まつりごとの季節
第二十四話 旧友来訪の後始末
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監視の下におかせてもらう。男手はどのみち必要だ。
それに下手に入れ替えたらまた面倒な輩が入り込むかもしれん。あの少年ならいくらでも使い道はあるだろう、向こうしだいだろうが、ある程度の協力関係をむすべるようにせんといかん。あちらの手腕は存分に理解できたからな」
豊長はそう言って嘆息する。
自分が管理していた懐へと入り込まれたのだ、無理もない。
 けっして油断していたわけでもなく、勿論、豊長の手腕に問題があったわけでもない、寧ろ魔導院のやり口が巧みであったと言うべきだろう。

「屋敷なら儂や山崎の目も利く。
それに妙なちょっかいを出してきた魔導院の連中には篤胤様を通して話を進める。――それで文句はあるまいな」
当主がじろり、と豊久を睨む、流石に豊久も祖父には抗せず両掌を上げ疲れた様に答えた。
「幾ら何でも口は出しませんよ、敬愛する当主閣下にお任せます」

「そうした方が良いだろうな。お前には当分、軍務に専念してもらいたいが――」
豊守が気遣わしげに言葉を紡ぐが視線の先にいる彼の嫡男は珍しく否、と首を横に振った。
「育預殿だけ苦労するわけにもいかないでしょう。――これでも私なりに誠実な友人でありたいとも思っているのですよ。どんな形であれ、彼もそうしてくれている限りは」

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