暁 〜小説投稿サイト〜
もう一つの"木ノ葉崩し"
第十五話―更なる絶望
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
さないように注意しつつ,飛雷神で飛ぶ,身を躱すなどして各々金角の攻撃を回避する。

「おのれ……いつまでも……ちょこまかと……っ!」

(ともかく,今は少しでも時間を稼ぐ!)

バッバッバッ!!

扉間たちは金角を取り囲んだまま一斉に印を結ぶ。

「「「水遁・水陣牢壁!!!」」」

「!?」

扉間たちは一斉に水を吹き出し,金角の周り360度を完全に水の壁で包囲する。

「こざかしい……っ!!」

ビュッ!

金角が水の壁に向かって尾を伸ばして攻撃を繰り出すと,尾の威力は壁を軽々と貫通し包囲の外へ飛び出す。
しかし,攻撃が扉間に当たることはなかった。水の壁によって視界が遮られ,金角は周りにいる扉間の位置を完全に見失った。

ビュッ!ビュッ!ビュッ!

「くそ……っ!どこだ……っ!おのれ……っ!」

(このまま,銀角の穢土転生を実行するまで……,……!!?)

しかしその時,扉間は最悪の事態を知った。

影分身の術は,分身体が見聞していることをリアルタイムで共有することはできない。
しかし,分身体が消滅するとその瞬間,その分身体が得た見聞や知識などあらゆる経験が本体と他の影分身に共有される。
逆に言えば,分身体の経験が共有されるというのは,その分身体が消滅したことを意味する。

まさにこの瞬間,扉間本体と,金角を取り囲む影分身たちにとある経験が還元された。
それは,扉間が現在行っている"時間稼ぎ"が全くの無意味であることを示すものであった。

――銀角の始末失敗,穢土転生は実行できず,なおかつ銀角自身も九尾の力解放の恐れあり……!!

ある意味で,特に三つ目の情報については,影分身からの経験の共有は不必要であったと言える。
なぜなら,そのすぐ直後に,感知タイプである扉間たちは感じ取ったからである。
銀角のチャクラと,そしてそれを遥かに上回る九尾のチャクラを……。

(まさか金角のみならず,銀角までも九尾化を……!!)

「いつまでも……逃げ回りおって……っ!」

更にその時,このままではラチが明かないと痺れを切らした金角が,尾による攻撃をやめて自ら水の壁に向かって突っ込んだ。

(……!!)

ドパァン!!

水の壁を突き破って包囲を抜けた金角は,そこにいた扉間たちにすぐさま攻撃を仕掛ける。

「フン!!」

ビュッ!!

(!!!)

ボフン!ボフン!ボフン!

あまりに突然の出来事,更には銀角のチャクラに気を取られていたこともあり,扉間の影分身たちは攻撃を躱せずに消滅していく。

「これも……分身か……本体はどこだ……。」

もはや金角を取り囲む円陣さえも崩され,水の壁も消滅する。
扉間の分身体は,四体にまで減っていた。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ