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3月中旬、昇二から連絡がきて、話があるので、泊めてくれと言ってきていた。金曜の夜10時を過ぎてやった来た。お父さんは、もう、早々と寝ていたのだ。
「めし 食ってないんだろう 今、売り込みをかけている、あんかけオムレツ食べてみてくれよ」と、僕は、昇二の意見も聞きたかったのだ。
「蒼が開発したのか? 頑張ってるなぁ もらうよ 横浜のシューマイも買ってきたんだけどな」
「待ってろ レンヂで直ぐだから・・ どうしたんだ、急に 出張で来たのか?」
「うん 俺 4月から、上海だ」
「えぇー あの上海かー?」
「うん あの上海 最低2年は、行くことになると思う」
僕が、レンヂで出来上がったものを出していると、そんな時、美鈴が家に戻ってきた。
「昇二 来てたんだ ごめんね 私 たいしたもの用意してないの」
「いいんだよ 美鈴 今から、蒼の失敗作を食べるとこなんだよ」
「おい 食べてから、言えよ プロとしての感想をな」
昇二は黙ったまま、食べていた。僕は、美鈴にシューマイを温めてくれと言って、キッチンに行って、小声で
「あんまり 無理するなよ 大事な身体なんだから」
「うん 気をつけているわよ これ、チンといったら、蒼出してね 私 匂いダメかも」
シューマイを持っていくと、もう、昇二は食べ終わっていた。
「どうだ なかなか良いだろう?」
「うーん ビールとは合わないな」
「バカヤロウ つまみじゃぁないよ」
「アハー いや、うまいよ それなりなんだろな 思ったより、卵もふっくらしていたのは、びっくりした。でも、俺なら、もっと、餡にボリュームが欲しいな グリーンピースとかエノキが卵に入っていたけど、卵をもっとシンプルにして、もっと小さくても良いからもっと、厚みを持たせて、餡のほうを具沢山にしたほうが豪華に見える。写真映えするしな あと、ご飯のふっくら感は出せないので、餡を多くして、カバー出来るかなと思う まあ 男には、少し、ボリューム感ないかな 女子向け でも、うまかったよ」
「そうか 参考になるよ 検討するよ」
その間に、美鈴は端っこのほうで、梅干しだけで白ご飯を食べていた。
「美鈴 どうしたんだ? えらい、質素やんか」と、昇二が気にしていた。
「美鈴 もっと、栄養とらんとあかんのちゃうか」と、僕も言ったのだが
「うん 今は、梅干し食べたかってん 食べられるときは、色んなもの食べてるから大丈夫」
「昇二 実は、出来たんよ」
「えぇー 子供 できたんかー? で、いつ?」
「秋に生まれる 今、3ヶ月」
「そうなんか パパになるんだな 良かったなー 蒼 でも、俺 見ることが出来ないんだよなぁー」
「美鈴 昇二
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