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レーヴァティン
第二百三十五話 熊を仕留めその八

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「どうにものう」
「よくないな」
「皆で食ってこそ」
 そうしてこそというのだ。
「美味いぜよ」
「だからだ、蝦夷に行ってもらい冒険をした褒美でな」
「食ってもらうのう」
「そして飲んでもらう、また直接倒した者には」
 その者の話もした。
「特別にな」
「褒美をじゃな」
「やる」   
 そうするというのだ。
「功に報いてな」
「そうじゃな」
「銭や茶器それに刀や武具を用意している」
 そうしたものをというのだ。
「既にな」
「そうしたものを褒美をするのう」
「土地は与えているとな」
「限りがあるぜよ」
「だからそうは与えられない」
 与えているとなくなる、これは自明の理である。
「ならだ」
「銭かのう」
「そうしたものをだ」
「褒美にするぜよ」
「こうしたものならだ」
「減らんぜよ」
「だから与えられる、銭もだ」
 これもというのだ。
「褒美として考えるとだ」
「まっことよかぜよ」
「土地と違うからな」
 与えても減らないからだというのだ、減りはするがまた生み出せる。このことが銭と土地の違いであるのだ。
「だからな」
「ここはじゃな」
「そうしたものを与える」
「茶器は実際に価値がある」
 幸正はこのことを話した。
「高いものでは一国に匹敵する」
「それだけの価値があるな」
「一万両以上するものすらある」
「それならだ」
「褒美にしても充分だな」
「だから俺もだ」
 ひいては幕府もというのだ。
「銭だけでなくな」
「茶器もだな」
「武具もだがな」   
 そうしたものも含めてもというのだ。
「そして馬もな」
「その中に入るな」
「こうしたものを褒美にするとな」
「後で困ることはないな」
「どちらも造られる」
 茶器も武具もというのだ。
「馬は子を産む」
「そして増える」
「そうもなる、また書もな」
 こちらもというのだ。
「褒美にしているが」
「同じ理由だな」
「生み出せるからな、だからな」
「書も褒美にするな」
「そうしたものを与え」
 そうしてというのだ。
「満足させる」
「褒美は弾むな」
「気前のよさも必要だ」
 英雄は幸正に答えた。
「幕府にはな」
「江戸幕府もそうだったしな」
「江戸幕府は面子にこだわった」
 その為四百万石もの領地では年貢は安く他の租税も同じであった、諸藩の手本になる様にそうしてかつ法も寛容で残酷な刑罰も忌んだ。
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