砂に落ちる雫
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トさんが驚きの声を上げ、その瞬間、一瞬だけどビットが全て止まったのを確認しました。
これで確証が持てました。予想通りビットはオルコットさん自体が操っているようですね。
またも3つのビットが攻撃を仕掛けてきますが先ほどの攻撃を危険視しているのか遠距離からの射撃で避けるのは容易い。左側の攻撃は全て盾で受け止めながらオルコットさん本人を見る。太陽にも大分慣れました。
さて、特徴も分かったところでそろそろこちらの反撃といかせて貰います!
盾を真上、垂直にオルコットさんに向けて構える。
『何をする気か知りませんが!』
私の行動に、オルコットさんが一気に残りのビットが距離を詰めてくるがそんなことはどうでもいいことです。
この盾はただの盾ではないんですから!
盾の内側が弾けると同時に何かが射出されて空中で炸裂しました。
『え、煙幕!?』
そう、煙幕。この盾の中には一発きりですが広範囲に煙を展開する煙幕弾が内蔵されていて、一瞬にしてアリーナ全体が真っ白な濃い煙に包まる。
『し、しかし煙幕なんて……え!?』
どうやらもう一つ気づいたようです。おそらくハイパーセンサーが正常に働いていないのでしょう。
この左手の盾、『オーガスタス』にはもう一種類の弾丸が内蔵されています。
ジャミング。
空中待機型の小型ジャミング兵器を相手の周りに3つ撃ち出す事で、ISのハイパーセンサーをも狂わす電磁波を30秒発生させる。ただしジャミングが強力すぎるため範囲内にいると自身のハイパーセンサーも使えなくなる上、小型とはいえ10cm大のジャミング兵器は目視で見ればオルコットさん相手ならすぐに撃墜されてしまいます。
けど、煙幕と組み合わせることでその弱点を補い、最大級の妨害を行うことが出来る。
この場で役に立つのは熱探知センサーと目視のみ!
私自身ノイズの走るハイパーセンサーを一度シャットアウトし熱探知センサーに切り替えます。煙幕の中でも『ブルー・ティアーズ』の姿がしっかりと映し出されました。
右手の『エスペランス』を左腰に戻し、背腰部の1m60cmの実体剣『マリージュラ』を抜刀。相手が戸惑っている内が勝負……この間に決めます!
煙幕の中を旋回して場所を特定させないようにしながら、熱探知センサーに映っているオルコットさんに真後ろから突進する!
『マリージュラ』はただの実体剣ではなく実験的とはいえエネルギーソード。そのエネルギーを展開。真っ赤なエネルギー刃が実体剣の周囲に現れ2m前後の長剣と化す。私はその展開が終わると同時に煙幕を飛び出す。
瞬間、狙いに気づいたのかオルコットさんの目がこちらを捉えた!
『射撃型の私にこんな方法で近接戦闘を挑むなんて!
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