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レーヴァティン
第二百三十五話 熊を仕留めその五

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「変身の術を持っていた」
「猫の相手になるかというと」
「確かに喋れたがな」 
 その猫はそれは出来た、実は普通の猫ではなくケット=シーという猫の妖精であったという説も存在している。
「しかしだ」
「外見は普通の猫で」
「変身の術もな」
「ありませんでしたね」
「だがオーガに勝った」
「騙して鼠に化けさせて」
「そしてペロリと飲み込んでだ」
 その様にしてであったのだ。
「退治した」
「そしてオーガの宮殿と財宝を飼い主に差し出した」
「そうなりましたね」
「これが長靴を履いた猫だ」
 その童話だというのだ。
「猫は非力で喋られはしたが」
「これといった魔法も使えませんでした」
「しかし知恵があった」
「そしてその知恵でオーガを倒した」
「それが出来た、日本なら一寸法師か」
 この童話だというのだ。
「小さく針しか持っていなかったが」
「小ささ故に敏捷さと」
「そして針で鬼の急所を突いて回ってだ」
「鬼を退けています」
「それが出来た、力はだ」
 まさにというのだ。
「どういった力をどう使うか」
「それが重要ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからな」
「非力であっても無力であっても」
「諦めることはない、無力といってもだ」
 この単語で評価されてもというのだ。
「全く何の力もないかというとな」
「違うっちゃ、猫に食べられた鼠でもっちゃ」
 愛実はオーガが騙されて変身したその鼠の話をした、言うまでもなく猫に一口で食べられる位の存在である。
「獅子を倒してるっちゃ」
「それも童話だな」
「獅子が寝ているうちにっちゃ」
「密かに縛って動けなくした」
「そう出来たっちゃ」
「その通りだ、鼠が全く何も出来ないまでに力がないなら」 
 それならとだ、英雄は愛実に話した。
「そうしたことも出来ない」
「そうっちゃな」
「どんな生きものでも僅かな力があればな」
 それならというのだ。
「それでだ」
「何か出来るっちゃ」
「そしてどんな生きものでもだ」
「僅かな力はあるっちゃ」
「そうだ、そしてその力をな」
 まさにというのだ。
「どう使うかがだ」
「大事っちゃ」
「そういうことだ、それがよくわかった」
「力は大小、強弱じゃないっちゃ」
「どう使いかだ」
「幕府もっちゃな」
「この力を上手く使えばな」
 そうすればというのだ。
「国は治まり」
「国力も備えるっちゃ」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
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