暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
異次元超人
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーは、そのままコヒメが捕まる十字架、その足元の要石へ吹き飛ばされ、爆発。
 その爆炎により、十字架が宙へ飛ぶ。

「コヒメ!」

 ロケットのように飛んで行く十字架から、美炎はコヒメを引き剥がす。
 バラバラになった十字架に遅れて着地した美炎は、抱えたコヒメに呼びかける。

「コヒメ! 大丈夫!?」

 だが、その言葉にコヒメは反応しない。気を失ったように目を閉じたままの彼女は、全く反応しない。
 やがて。

「コヒメ……! これって……!?」

 美炎は目を丸くする。
 コヒメの体はだんだんと崩壊し始め、粉塵となっていく。美炎の手から零れ落ちていくコヒメだったものは、やがて風に乗って消えていった。

「コヒメ! コヒメ!」

 美炎は工場内から外へ消えていくコヒメの粉塵を、美炎は追い求める。
 だが、そんな彼女を可奈美が抑えた。

「落ち着いて美炎ちゃん! あれはコヒメちゃんじゃないよ! 偽物だよ!」

 その言葉に、美炎は動きを止める。
 コヒメの偽物だったそれは、空気の中に消失していった。

「おやおや。ありがとう。役目を果たしてくれて」

 その声に、可奈美と美炎はぞっとした顔で顔を上げた。
 夜の空模様が窓から見える中。
 明かりのない闇の中、さらなる闇がそこにいた。

「トレギア……っ!」

 この事件の元凶、トレギア。
 彼は、その赤い目で二人の刀使を見下ろしていた。

「トレギア……! やっぱりここに……!」
「コヒメはどこ!?」
「あの荒魂かい?」

 美炎の叫びに、トレギアはほほ笑む。

「まさか、この私が手放すはずがないじゃないか。ほら、ここに」

 トレギアは、自らの横に現れる闇に手を突っ込む。
 すると、そこより白い何かを引っ張り出した。
 和服のような姿と、それと同じ白い髪。さらに黄色の目は、人の形をしていても人のそれとは異なる。

「みほの!」

 その声に、美炎の目が大きく見開かれる。

「コヒメ!」
「みほの! 助けて!」

 トレギアに首を絞め上げられながら、コヒメは手足をバタバタと動かす。
 だが、サーヴァントたる超人が、荒魂とはいえ少女の暴れ程度に逃れられるわけがない。
 すでに美炎は駆け出し、加州清光の力でジャンプ、そのままトレギアへ接近する。

「感動の再会だね。まあそれも……すぐに終わる……!」

 彼の腕に宿る、黒い雷。
 それを見ただけで、可奈美は反射的に身構えてしまう。
 すぐにトレギアの手から放たれた雷は、神居を放とうとする美炎に直撃。大きく退かせた。

「美炎ちゃん!」

 そのまま地面を転がった美炎は、ぐったりとその体から力が抜けていった。

「美炎ちゃん!」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ