アイングラッド編
追想編
狂気の戦い、死神は怒り、終焉をもたらす
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んできたピックを弾く。
「……決着はまた今度にお預けだ。まぁ、今回はテメェの勝ちってことにしとくか」
「………ッ、待て!!」
だが、5人のプレイヤーに行く手を阻まれ、PoHは易々とその場を離脱した。
「クソッ!」
邪魔をした5人を一瞬で無力化し、被害状況を確認する。
広めの安全地帯での戦闘は主に入口付近で起こっている。
俺を含めた何人かは奥まで入り込み、遊撃をしていたが、後は討伐隊の本隊と交戦している集団だけのようだ。
状況は芳しくない。討伐隊は今だに殺人をする事への忌避感を感じている。
そんな中、ついに目の前で討伐隊のプレイヤーが1人、消滅した。
――何かが切れた。
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Side アスナ
2時間に及ぶ長い戦闘を終え、アスナは思わず、床に座り込んで自分を抱き締めた。
――生きてた。
今いち実感が湧かないのはボス戦とは違った、異質な戦いだったからだろうか。
周りのプレイヤー達もひどく疲れた様子で座り込んでいる。
壁際には捕縛されたレッドやただ震えているレッド達。
縛られているならともかく、何故そうでない者達まで動かないのか?
アスナが顔を挙げると、討伐隊の先頭に佇む1つの人影が見えた。
ただ、1人だけポツンと立って動かない。やがて、大きな刀を背に戻すと無言で出口の方へ歩き出す。アスナとその近くに座り込んでいるキリトの側を通りすぎる時も全く速度を緩めなかった。
そして、表情は―――
彼の進路にいるプレイヤーは怯えたように道を譲る。
それだけのものをさっき、見せつけられたのだ。
彼の本隊への参戦は一瞬にして戦況をひっくり返した。
鬼神のような表情で刀を振るって暴れる恐怖の権化にラフコフのプレイヤーは次々と戦意を喪失していった。
同時に討伐隊は悟った。
――これは、俺達が触れてはいけないものだ、と。
この戦闘により以降にこのような討伐作戦が提案されることはなかった。
ただ、謎の集団による犯罪者の捕縛、俗に言う《レッド狩り》の件数が増えたのはここからだ。
その1人は確実にレイであり、彼がレッドを殺し回っているという間違った噂が流れ始めたのもこの日からだった。
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SAO事件収束の一週間後、
「ぐぬ………」
どさりと座り込んで、荒ぶる心臓の心拍数を整える。
現在は筋力を取り戻すためのトレーニング中だ。
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