アイングラッド編
追想編
狂気の戦い、死神は怒り、終焉をもたらす
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アスナからのメッセージが多くなった。
以前は攻略会議に遅れるな、サボるなetcの詰問メールだったのだが、最近はそれに加え、恋愛相談(?)絡みのメールが増えてきた。
相手のことは巧みに隠しているが、態度でまるわかりだ。
クラインも交えて馬鹿話で緊張を紛らわす。
「では、諸君。――出陣!!」
号令した割りにはガシャガシャと点々バラバラに出ていくが、今は別に気にすることではない。先が思いやられはするが……。
「……おい、キリト」
俺はキリトにしか聞こえないぐらいの小さな声で話し掛ける。
「なんだ?」
「ちょっと、アスナんとこ行ってやれ。あいつ誰とも話して無かったぞ。ガチガチなままじゃ、ヤバいかも」
「……俺だけで?」
「もち……そうだなぁ、生き残ったら2人を特別ディナーへご招待しよう。知り合いに掛け合ってやる」
「……わかった」
キリトが人混みの間を掻き分けて目的の人物のところにたどり着くのを見届けると、俺は視線を前に戻した。
討伐隊の面々は各々別の会話をしているが、集団の空気とは拭えないもの、不安という空気が重くのし掛かっていた。
その不安のせいもあってか、俺達は予想していなかった事態に陥ってしまった。
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情報の漏洩。考えうる最悪の展開だ。ラフコフのアジトは密告者による発見だった。それと同じようにこちらにも密告者が出てしまったらしい。
ばれている可能性を考えて無かったこちらにも落ち度があるとはいえ、状況は悪かった。
一番の原因は殺人への忌避感の差だ。
ネットゲーマーでしかない彼らにそこまで求めるのは酷だと思い、いざというときは俺が殲滅するしかないと覚悟していたが―――
「………っ!たく、そろそろしつこいぜお嬢さん!」
「フフ、『お嬢さん』って……お世辞が上手いのね?」
「じゃ、若造りのおばさん」
「……アリガト、ね!!」
ヒュンッと長槍が俺の首が在ったところを薙ぐ。
「あっぶな。もしかして墓穴だったり?」
「女に『おばさん』は失礼よ。いくつでも」
「……覚えとくよ」
キィン、と槍を上に弾き大きな隙を作らせる。
「きゃ!?」
「って、悲鳴は若いな!?」
腰から麻痺毒の短剣を引き抜き、軽く切りつける。女のレッドプレイヤーはその場に崩れ落ちた。
次にストレージから鎖を取り出すと、壁際に女を持っていって他の拘束したやつらと一緒に放置する。
「さて……」
枝道で
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