アイングラッド編
追想編
狂気の戦い、死神は怒り、終焉をもたらす
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―《ラフィン・コフィン討伐作戦》、それはアインクラッドの中で行われた最も悲惨な戦い。
プレイヤー達を助けるためにこの地に降り立った彼が、初めてそれを忘れ、自らの正義のために血を被った戦いでもあった。
これはその記録である―――
______________________________________
56層 聖竜連合本部
「――諸君、まずはご足労感謝する」
今回の作戦を指揮する聖竜連合の幹部が集まったプレイヤー達を労う。
総勢50人ものプレイヤー達。そのどれもが厳しい顔つきだ。
無理もない、これから立ち向かうのは強力なモンスターではなく同じプレイヤーのもと、それも殺し合いに行くのだから……。
「知っての通り、これから向かうのはただの犯罪者ギルドではなく、最悪の殺人ギルドのもとだ―――ヒットポイントを全損をさせるのも、やむおえなくなるかもしれない……」
その言葉にほぼ全員のプレイヤーが俯く。
「だが、我々はやらなければならぬのだ。我々が攻略を急ぐのはなんのためか?全プレイヤーの現実への帰還、それが悲願だろう。中層や下層に残っているプレイヤー達は我々に期待をしている。ならば、その者達の危険は取り除くべきだ。……例えそれが殺人であろうと」
聖竜連合のメンバーにしちゃ立派なご高説だ。ボス戦でもその精神を発揮してはくれぬか。
「……覚悟が揺らいだ者は帰ってくれて構わない。この戦いでも死ぬ可能性は大いにある」
だが、誰一人帰ろうとするものはいない。
「やれやれ……」
「どうしたんでぇ?『紅き死神』ともあろうやつが」
「ここにいる全員、馬鹿ばっかだと思っただけさ」
「そうゆうおめえも、その一員だろうが」
「……俺も含めて馬鹿ばっかだ」
かかか、と笑うバンダナ侍に肘を一撃入れて黙らせると、今度は全身真っ黒な剣士が話し掛けてきた。
「なあ、あれアスナじゃないか?」
「うん?……あ、ホントだ」
「……………」
「なんだ、心配なのか?」
「いや、心配もそうなんだけどさ……」
慌ててそっぽを向き、否定するキリトをひとしきり笑ってから会話を続ける。
「で、どうなんだ?最近は」
「い……いや、取り合えず普通に世間話とかする間柄かな」
「ほお、お前らが世間話か。随分と仲良くなったな」
「なんか……最近、妙に態度が丸くなったような気がするんだよな……」
ちなみに、原因はコイツだったりする。あんな美人に好かれてんだ、もっと自信もてよ。
ついでに、俺も
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ