第36話
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い出した。
「頼んだぞ、悟林……初めて会った時は弱かったガキがあそこまで強くなるとはな……俺ともあろう者が奴ら親子や仲間の影響を受けて穏やかになっていき、家族を持って居心地のいい地球を好きになっていくなど昔の俺を思えば考えられなかった。」
サイヤ人の王子として星を滅ぼしてきたベジータ。
当時の自分なら地球で暮らし、妻子を得て、そして守るために命を懸けるなど考えられなかっただろう。
「ピッコロ、さっさと貴様も逃げろ。巻き添えを喰らうぞ」
バビディを始末したピッコロに逃げるように促すと、ピッコロは複雑そうにベジータを見つめる。
「貴様…死ぬ気だな…」
「…最後に1つだけ教えてくれ。俺が死んだらあの世ではどうなる?」
「……善行を積んだ者は肉体を与えられるが、お前は罪もない人々を殺しすぎた…死ねば肉体は無となり、魂も悟林とは違う世界に運ばれる…そこで魂は洗われ、記憶もなくし、新しい生命体に変えられる…」
「…そうか…残念だ…」
どれだけベジータが地球の生活で穏やかになろうが生前の罪は消えない。
生前に善行を積んだ悟林とは違うのだ。
それを聞いたベジータは少々残念そうに呟いた。
ピッコロとクリリンが去っていくのを見たベジータはブウを見据える。
思い返せば、闘いばかりの人生だった。
サイヤ人の王子として力を求め、フリーザによって惑星ベジータが破壊されてもフリーザの下で働いた日々。
ドラゴンボールを求めて地球にやってきた時に悟空達と闘い、ナメック星での共闘。
そしてフリーザに殺されたことは昨日のように思い出せる。
帰って来た悟空と悟林と未来のトランクスの超サイヤ人に奮起し、超サイヤ人に目覚めた時のことは決して忘れることはないだろう。
そして人造人間との闘いでセルを完全体にしてしまい、結果的に悟林を死なせる遠因になったことは本人は気にしておらずともベジータの心の奥に残り続けた。
「さらばだ…ブルマ…トランクス…悟林…カカロット……」
心に強く刻まれた存在の名を呟きながらベジータは限界以上の力を振り絞った。
遠く離れた場所でトランクスと悟天を抱えながら飛んでいた悟林だが、抱えられている2人は必死に抵抗する。
「放して!放してよ悟林さん!パパが…パパが!」
「駄目だよ。2人を天界に連れていく」
「そんな!おじさん死んじゃうよ!」
「いい加減にしなさい!!!」
抜け出そうともがく2人だが、悟林の怒声によって硬直する。
「ベジータさんがどれだけの覚悟で私達を逃がしてくれたと思う?ベジータさんの気持ちを無駄にする気?」
「でも…でも…!」
悟林の言葉は理解出来ても納得は出来ない。
トランクスにとって
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