第17話
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前の一礼をしなければ」
「え?あ、そうだった…」
青年に言われて慌てて一礼する悟林。
父親の悟空もこれに関してはうるさかった記憶がある。
一礼をした後に両者は構えた。
2人が構えた瞬間いくつもの視線が向けられたがそれらを無視して両者は動き出す。
悟林が早速拳と蹴りを繰り出すと青年にいとも簡単に防がれる。
しかし受けた青年は悟林の攻撃の重さに驚いた。
こんな小さな体のどこにこんな力があるのだろうと。
悟林の方も青年の攻撃を防ぎながらも動きを良く見ており、青年の闘い方は自分の理想とも言えた。
父親の剛と師匠の柔を融合させた型。
しかし青年の気の質は誰かに似ているような気がする。
「(…まあいっか)」
気になるけれどこんな楽しい組み手の前ではそんな物は些細なことだ。
青年も笑みを浮かべて自分との組み手を楽しんでいるのが分かった。
しばらく攻防が続き、青年は一気に目付きを鋭くして悟林との距離を詰めて足払いをかけると悟林は尻餅をつき、青年の拳が眼前に迫ると寸止めしてくれた。
「っ……」
「ありがとうございました。こんなに楽しい組み手は久しぶりです」
「うう…参りました…」
悟林は悔しそうにして立ち上がり、胸の前で自分の右の拳を左の掌に押し当てて黙礼し、青年も同じ動作を返す。
拳を納めると言うのは既に敵意がないという拳法での礼の形。
「悟林さん、とても強かったです」
「負けちゃ意味ないもん」
悔しそうに青年を見上げると青年は優しく微笑んだ。
「大丈夫です。悟林さんなら俺よりずっとずっと強くなれます。それこそ宇宙一になれるくらいに」
「そうかなあ……お父さんが帰ってきたら修行に付き合ってもらお」
悟空が来るであろう空を見上げながら呟く悟林。
青年も同じように空を見上げた。
「あの人…闘い方がお姉ちゃんに似てる…」
「そうだなあ…悟空やピッコロの技を合わせたような…」
2人の組み手を見たクリリンと悟飯は青年の動きが悟林に酷似していることに気付いた。
そして3時間が経過して青年が時間を確認すると立ち上がった。
「そろそろ到着するはずです」
それを聞き、全員が感覚を研ぎ澄ませると大きな気を感知した。
「ほ、本当だ…!感じる!気を感じるぞ…!」
「た…確かに何かが来る…!」
「じゃ、じゃあ、あの子の言った時間も場所もズバリだったってわけ!?」
「お父さんだ!お父さんの気だ!」
宇宙から飛来する小型の宇宙船。
それが着地した地点に悟林は急いで向かう。
クレーターの中心にある宇宙船のハッチが開くと見慣れない服装の悟空の姿があった。
「お父さー
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