アイングラッド編
追想編
破壊の蛇、笑う死神
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「はぁ!!」
「ガァァァァ!?」
一方的に攻められて遂に最後のHPバーに割り込んだ。
ここからの大暴れがこの敵の厄介にされている理由だ。
「シャァァァァ!!」
絶叫と共に地面にクレーターを穿ちつつ、こちらに突進してくる。
「ぬ……」
横へ回避するが、インパクトダメージでHPの2割りを持っていかれる。
「出し惜しみしてる場合じゃない、か……」
全力ダッシュしながらアイテムウインドウを操作し、新たな武器を取り出す。
短めの刀、小太刀という武器だ。
エクストラスキル《二刀流》の原型となった、この世界で彼だけが使える禁断のシステム外スキル。
江戸時代初期の剣客、宮本武蔵が創始した兵法、『二天一流』の奥義の1つにして、彼の養子達に伝承されし秘伝の技。
「おい、蛇野郎。光栄に思え、お前はこの世界で俺と本気の戦いをした最初で最後の存在だ」
左右の剣を地面に垂らし、構えない構えをする。
――《水の型、無形の構え》
1つ空に咆哮をあげると、ジオクロウラーは地面に体を半ば埋めながら突進してくる。
かわさなければ致命的なダメージを食らうのは明らかだったが、先程とは違い、レイの表情には余裕の笑みがあった。
常闇に弾ける二条の剣閃、辺りがしんと静まり返り、やがて巨体が小さく粉々になって闇に消えていった―――
その場に残っていたのは1つの人影。
やがてそれも街の方へ消えていった。
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「―――とまあ、そんな感じでジオクロウラーはボコっといたから、迷宮区のマッピングはよろ」
「「…………」」
最近、オープンしたエギルの雑貨屋でお茶を啜りながら、店主とキリトにことの顛末を話した。
「……ついにやりやがったな、お前……」
「で、そのドロップ品をまとめてうちで売りさばいて、いきなり倒産させる気か?」
「うんにゃ、総額10k位ならお安いもんだろ」
「「はぁ!?」」
驚くのも当然だ。ボスドロップにはユニーク品、つまりそこでしか手に入らない強力な物がある。
「んだよ。もっと安くか?」
「いや……お前がそれでいいってんならいいが……。後で返せなんて言うなよ?」
「要るもんはもう抜いてあるよ。そいつらは不用品だ」
まあ、これでエギルの商売も軌道に乗るだろう。
結果的にはそれで俺達はさらなるサポートが期待できるんだからここでの投資は決して損ではない。
「じゃ、俺
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