第2話
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頑張って」
「じゃあな。そうそう、ここから逃げ出そうと思うな。周りは砂漠地獄が広がるのみ…ここが天国に見えてくる程の死の世界だ…。」
「あ…そうだった…」
意識を失っていた悟飯と違って悟林はここに来るまでの道中をしっかり見ており、ピッコロの言葉に偽りがないことを悟飯に思い知らせた。
「行くぞ」
「うん、悟飯。お姉ちゃんはもう行くね」
「い、嫌だ!置いてかないでよお姉ちゃん!置いていくなんて酷いよ!」
「…………」
悟林は悟飯の言葉に迷いを見せたが、ピッコロが口を開いた。
「恨むんならてめえの運命を恨むんだな…この俺のように…」
それだけ言うとピッコロは悟林を抱えて飛び立った。
下から悟飯の泣き声が聞こえてきた。
「………」
「言っておくが、あいつの元に行こうなど考えるなよ」
「うん、分かってるよピッコロさん…私…強くなる…強くなりたい…!もう弱いままでいたくない…!」
「お前にも強くなってもらわねば困る。とにかくお前はここで三ヶ月生き延びろ」
川の近くに悟林を降ろして飛び立とうとしたピッコロを呼び止める。
「ピッコロさん」
「何だ?」
「動きやすい服とかないかな?ピッコロさん、魔法使いみたいなことが出来るってお父さんが言ってたんだ。これ、お出掛け用の服で少し動きにくいんだ。どうせなら動きやすい道着がいい」
「ふむ…服か…それくらいなら良いだろう。貴様の親父と同じデザインにしてやる」
指を悟林に向けると服が父親が着ていた亀仙流の道着に変わった。
「あ、変わった!ありがとうピッコロさん」
「ふっふっふ…刷られている文字は違うがな…」
「え?」
左胸の文字を見ると確かに“亀”ではなく“魔”の一文字が刷られていた。
「俺は自分の修行をせねばならん…もう行くぞ…貴様が3ヶ月の間を生き延びられたらこのピッコロ様直々に地獄の特訓をしてやろう…死んだ方がマシだったと思えるほどのな…覚悟しておくんだな」
「うん、頑張って生き延びるよ。行ってらっしゃいピッコロさん」
早速寝床と食べ物を探しに行った悟林を見て、双子でも扱いが違えばこんなにも違うのかとピッコロにある種の感心をさせた。
その後、悟飯の大猿化により、月は破壊されて念のために双子の尻尾は処分されてしまった。
因みに悟林は手頃な洞窟を見つけてそこを寝床にしていたので、月は見ずに済んだのだが、熟睡していたところを尻尾を千切られて1日眠れず体のバランスも変化したことで慣れるのに少し時間がかかってしまった。
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