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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
いざ、エジンベアへ
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く建ち並び、きちんと植えられた花壇や街路樹は美しく手入れされている。それはまるで、一枚の絵画のように見えた。
「なんだか落ち着かない町だね」
 ポルトガやアッサラームの港町に見慣れている自分には、こういったきちんと整備された町は合わない。何でかはわからないけれど。
「それはお前が田舎者だからだ」
 と思ったら、ユウリが答えを出してくれた。いや、つい受け流しちゃったけど、これは完全にバカにされている。
 気を取り直して遠くに目をやると、町並みのはるか向こうに風格のある美しいお城が見える。あれがエジンベア城なのだろう。
「とりあえず、入国したら町の人たちに最後の鍵のことを聞いてみるぞ」
 私たちは港と城下町を隔てている通行門の前まで来た。門の前にはこの国の衛兵であろう男性が立っており、私たちの姿を目に留めた途端、いきなり険しい顔でこちらに近づいてきた。
「今我が国は自国の安全確保のため、入国規制をかけている。お前たちのような田舎者は立ち入ることすら許されぬ。即刻立ち去るがよい!」
 私たちを見下すかのように、衛兵は鼻息荒く一方的にそう言い放った。しばし言葉を失う私たち。そして、先にユウリが口を開いた。
「俺を……田舎者だと!?」
 まるで逆鱗にでも触れたかのように、こめかみを引きつらせる勇者。だが、すぐに怒りを爆発させるということはさすがにせず、彼は自分の周りに漂うどす黒いオーラを必死に抑えた。
「俺はアリアハンから来た英雄オルテガの息子、ユウリだ。魔王を倒すために最後の鍵というアイテムを探しているのだが、この世界を救うためにそのアイテムがどうしても必要なんだ。そのアイテムの情報を得るためにも、特例という形で俺たちを通すことを許可してはくれないか?」
 極力冷静に、彼なりに丁寧な言葉で衛兵に懇願する。だが、そんな彼の心中など知らないといわんばかりに、衛兵はせせら笑う。
「いかなる特例も認めん。第一、本当にそのような貧乏臭い身なりをした者が、英雄の息子だというのか? 何か身分を証明するものがあれば考えてやらんこともないが、そうでなければ不審者としてお前たちを扱うぞ。それでも良いか?」
「……!!」
 はっきりとそう言われ、私は顔をしかめる。四角い顔をした衛兵は、頭の中も四角四面なのだろうか。隣を見ると、案の定今にも呪文を唱えそうな雰囲気のユウリが何やらぶつぶつと呟いていた。
「ねえ、ユウリが勇者だっていう証拠みたいなものってないの?」
 私が慌てて耳打ちすると、ユウリは私の方を見ずに言った。
「もともと俺は親父の肩書なんていらないと思って旅に出たからな。そんなもんあったとしてもとっくに投げ捨ててる」
 そういえばそうだった。今衛兵にお父さんの名前を出したのも、このままだと通れないと思ったから、仕方なくだったんだろう。だがどち
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