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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしと香子は、ユニットを組む
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な引きこもりを始めたのだという。
しかし、コンプレックスとはなんなのだろうか?
綺麗な黒髪、ゆったりとした服装からでもわかる、出るとこは出て、山で育ったおかげかきっちりと引き締まったその身体。
おじさん臭い言い方だがまさにボンキュッボン。
正直に言おう、この子はあたしのタイプだ。
お淑やかで、綺麗な黒髪、大きな胸。
一体、彼女のどこにコンプレックスがあると言うんだろう?

聞いてはみたいけど、きっとそれはデリケートな問題だ。
必要以上に踏み込んで彼女を傷つけかねないので、それに関することはあえて聞かないことにする。

「でもね、そんな内気な私を変えてくれたのが、突然やって来たエリザだった。」
「…。」
「私に見たことの無い世界を見せてくれた。堂々と胸を張ること、自分らしさを見せつけること、コンプレックスがなんだ、それをあえて自慢しろ。そうやって、色んなことを教えてくれたんだ。」
「それが、アイドル活動なのですね。」

香子がそう聞くと、彼女は静かに頷いた。

「エリザだって、ただワガママにアイドルをやってるわけじゃない。私と一緒にアイドルをして、励ましてくれてる。貴方達にはそれを、伝えたくて今日来たの。」

…なるほど。
つまり傍若無人に見えてあのトンチキ娘、自分のマスターのことを第一に考えてたわけだ。
なんだろう、
少し良い奴だなと思えてしまった。
しかし、

「うん。分かった。」
「…?」

テーブルから立ち上がり、あたしもあたしで決意をする。

「そっちもそれなりの理由があるんなら、こっちも引けない。アイドルをしていることにそこまでの大事な理由があるのなら、あたし達も全力で相手しなきゃそれこそ失礼だ。」
「えっと…つまり…。」
「本気で戦う。アイドルとして、貴方とエリザベートにあたし達の信念を思い切りぶつける。」

彼女がエリザベートに救われたように、あたしも香子に救われている。
女性しか愛せないあたしを受け入れ、異常などではないと言ってくれた香子。
そんな大切な人と一緒に、あたしは図書館を運営している。
ここは、あたしと香子の大切な場所。これから、大事な人とたくさんの思い出を詰め込んでいく場所。
だから譲れない。
あたしを救ってくれた人…香子のためにも。

「本気で戦う…エリザにもそう伝えておきます。」
「助かるよ。んでいつぞやのまな板発言をそっくりそのままお返ししてやる。」

そう言ってやると、麻美は吹き出すように笑った。

「分かりました。あなた達がそれほどの本気なら、私達も本気でぶつかります。その信念、その心意気、今のあなた達はもう立派な”アイドル”です。」

彼女はそう言って立ち上がり、また深々と礼をすると帰って行った。

さて、あれだけのこ
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