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Fate/WizarDragonknight
邪神 ガタノゾーア
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ドは立ち上がる。
 ソードガンを用いて、何度も何度もガタノゾーアへ打ち付ける。
 だが、圧倒的な防御力を誇るガタノゾーアへは効果がないどころか、むしろその足元から溢れ出てくる闇により、ウィザードへのダメージが大きくなっていく。

「やばい……!」

 さらに、逃げようとしてもまたしても無数の触手がウィザードの動きを阻んでいく。
 そして。
 紫の光が、ガタノゾーアの口元に収束していく。
 また、あの石化光線が来ると、ウィザードが危惧した時。

「よもやよもやだ」

 その声は、どこからか。
 それは、ウィザードの背後に聳える石像から。
 だが、その全てが硬質化しているはずのその口元が動いている。
 目を凝らしてみれば、石像には赤い炎がオーラのようにその身を包んでいる。

「こんな状態で動けないとは……」

 頭頂部から、石の表皮が剥がれていく。
 燃え盛るような赤を纏う煉獄の姿が、徐々に露わになっていく。

「柱として不甲斐なし……!」

 石像のままの四肢が、動きだす。
 煉獄とともに石化している日輪刀を、目の前に深々と突き刺す。
 すると、そこを中心として、煉獄の石像の周囲を炎の円が走っていく。

「穴があったら入りたい!」

 剥がれていく石化。
 そして振るわれる日輪刀の炎は、ガタノゾーアを吹き飛ばし、ウィザードの動きを封じる触手を切り飛ばした、
 やがてそこには。
 元に戻った、煉獄の姿があった。

「何っ!?」

 流石のトレギアも、煉獄のその状態には言葉を失うほかない。
 明らかに、目を疑っていた。

「ただの人間が、石化から逃れられるはずがない……!?」
「そうか? これ程度、造作もない」
「何だと……!?」

 煉獄は、見開いた目を少しも細めることなく宣言した。

「呼吸法を極めれば、あらゆる状況に対応できる! この石化程度、人間の力で打ち破れる!」
「戯言を……!」
「だが! これが呼吸! 俺たち鬼殺隊の! 力の源だ!」
「苛立たせてくれる……! ガタノゾーア!」

 トレギアは首を掻きながら、ガタノゾーアに命令する。
 すると、ガタノゾーアは唸り声とともに動き出す。

「行くぞ! 松菜青年! 君に助けてもらった借りは、しっかり返さないとな!」
「いや、こっちこそ。煉獄さんに助けてもらったし」

 ウィザードは、ルビーの指輪を取り出しながら言った。

「だから、今回のことはおあいこだよ」
『フレイム プリーズ』

 ウィザードの姿が、土から火に代わっていく。
 その時、煉獄の剣から漏れ出す炎もまた、魔法陣に吸収されていく。

「なるほど! では、これから貸し借りなしで行こうか!」
「名案。行くよ!」


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