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絶撃の浜風
03 始まりの艤装展開
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位、簡単なもんだ」



 それは・・・不思議な感覚だった。注水される海水が織りなす穏やかな波のうねりを、浜風はゆるやかに、ごく自然に乗り越える・・・・それはまるで、自分が海で生まれた生き物のような、そんな感覚であった



「少し、動いてみるか?」


「え・・・でも、どうやって?」


「艤装とのデータリンクは済んでるから、最初は声に出して見るといい・・・・両舷前進微速・・・・・とな」


「うん・・・・えと・・・両舷前進微速・・・・・・・・ぁ・・・」






足下にある艤装に装備されたスクリューが、回転を始める・・・・



そして・・・



浜風は、ゆっくりと航行を始めた






 (2021年6月15日 執筆)



戦速6ノット・・・・駆け出す位の速さで、浜風はドックの中を航行していた




「・・・・すごい・・・・・すごいすごい・・・・・・これが・・・艦娘・・・・」




 浜風は、生まれて初めての不思議な体験に、珍しく興奮を隠せないでいた。頬を掠めたゆるやかな風が心地よかった


 気がつくと、先程まで怖くて足下が竦んでいた事など、すっかり忘れてしまっていた




「嬢ちゃん、取舵20度!」


「・・え・・・はい・・・・取舵・・・・20度・・・・・わ・・・」




浜風の号令と共に、その艤体は左20度方向へ回頭した



「・・曲がった・・・・すごい・・・・えと・・・・面舵?・・・20度・・・」



 今度は右20度方向へ回頭・・・・浜風は、すっかり面白くなっていた。艤装のROMデータから操艦マニュアルを読み込み、今度は速度を変えてみた。



「両舷前進半速から原速! 赤黒なし 取舵、30度!・・・・わぁ・・・」


「ドックの中で強速以上は出すなよ!」


「・・・はいっ!」





《やれやれ、記憶がないのに大したモンだ・・・もう一人で操艦出来るじゃねぇか》





「俺は上に上がってるから、しばらく練習してな」



「・・・うん・・」








階段を上り、波止場に辿り着く




ドックを見下ろすと、浜風が操艦に夢中になってはしゃいでいるのが見えた



平賀は、ドックの推進設定を【0】に切り替える。そしてそのままドックに注水を開始した

海水がドックへと流れ込み、穏やかな波のうねりと共に水面が急速に浮上してくる・・・・






20分程で、水面は海抜マイナス5メートルにまで浮上していた










ドックの改
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