03 始まりの艤装展開
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頃合いだな・・・・と、平賀は思う
「・・・・嬢ちゃん・・・・いよいよ外海に出るぞ! 今度はキヨと、ランデブーだ!」
そういうと、平賀はゲートを解放する
チャリチャリと音を立て、大きな鎖がリリースされてゆく・・・・・それに従い、外海に面した巨大なゲートが、ゆっくりと外側へと傾斜し倒れてゆく
浜風の目の前には、海が・・・広がっていた
「・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・」
それは・・・・いつか見た海だった
遠い昔・・・・
軍艦として此の世に生を受け、初めて海に出た時の・・・・あの時の風景だった
「軍艦なんだから、進水はやっぱこうじゃないとな・・・・」
くしくもその日は、140年前に浜風が進水をした、11月25日であった
「・・・・嬢ちゃん・・・・」
「・・・・はい・・・」
「・・・本艦を・・・《濱風》と命名する・・・・・・・行ってこい!」
「・・・・・はいっ!・・・・・・出港準備!」
「両舷前進微速・・・・三十度ようそろ・・・・・・《濱風》出港!・・・・ええと・・・・」
「・・・大島でいいだろ?」
「・・・はいっ! 両舷前進原速 赤黒なし 進路三十度 大島北方45マイルまで・・・前進!」
浜風は・・・・70年ぶりに海へ出た
軍艦時代と・・・艦娘時代の記憶を無くしてしまった今の浜風の心は・・・・・・過去の無念や、妄執から解き放たれ・・・・
真っ白だった
今生に於いて・・・・浜風は一体何を成すために舞い戻ってきたのか・・・・・
今はまだ・・・・誰にもわからなかった
「清霜ちゃーーーーー
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