03 始まりの艤装展開
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修にあたり、夕張は注排水システムの見直しをしていた
船舶用ドックを使用する場合、その大きさ故、注排水する海水の量が尋常ではない
注水はともかく排水に時間がかかりすぎるのがネックだった
そこで、現行のポンプユニットとは別に、新たにポンプユニットを開発し、バイパスしていた
夕張が独自に開発したこのハイパー注排水システムは、通常ではあり得ない速さで水面を上昇、下降させる事が可能だった
しかも、注水口の配置や形状も徹底的に見直されていて、大量の海水をドックに流し込んでいるにもかかわらず、注意していなければ気付かない程に、水面は穏やかであった
まさに夕張ならではの・・・・無駄にクォリティーの高いドックであった
「・・・まぁ、確かに役に立ったけどよ・・・・・・」
「・・・・改修費用・・・・ここの運営費の一か月分、とか言ってたな・・・・・・・」
一体いくらかかったのだろう・・・・・平賀は、恐ろしくてそれ以上考えるのをやめた
そして・・・
このような贅沢な施設を独り占めしている今日の浜風は、さながらVIP待遇であった
「・・・・さてと・・・」
平賀は、浜風を水に慣れさせるため、次のプログラムへ移行する
「嬢ちゃん、ちょっとこっちへ来てくれるか?」
「?・・・・・・はい・・・」
もう、すっかり操艦に馴染んだ浜風は、平賀のいる突堤へと転進したかと思うと、半速、微速と徐々に速度を落とし、彼の目の前でピタリと静止した
「なんですか?・・・・・・・・あれ?・・」
さっきまでドックの上層の縁・・・突堤の上に立っていたはずの平賀が、浜風と同じ目線に立っていた
「教導艦さん・・・・これって・・・?」
「・・・ああ、今ここは、海抜0メートル・・・・外海と同じ海面ってわけだ」
「・・・・・?」
「・・・まぁ、いいさ・・・それより・・・・」
平賀は手ぶりで Sit をあらわす。海面に腰を下ろすよう、身振りで示した
「ちょっとそこに、座ってみな」
「・・・え・・・・」
「大丈夫、嬢ちゃんはお船だ・・・体のどこをついたって、沈んだりしないから」
「う・・うん・・・」
浜風は、そっと腰を下ろし、恐る恐る水面に尻餅をついた・・・・・すると、まるでクッションの上に腰掛けるように、柔らか
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