03 始まりの艤装展開
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「ガキじゃないもん!」
「ガキじゃねえか!・・・いや、ま・・・そうでもないか・・・・爺さんの葬式、来てくれて嬉しかったよ・・・」
浜風が初めて某鎮守府に訪れた日、その日は清霜も来る予定だった
だが、平賀の祖父の葬儀の日と重なっていたため、清霜は故人の弔いを優先し、来なかったのである
「ゲンちゃんの葬式にも、ちゃんと行くからね!」
「ちょ、おまっ・・・縁起でもねえ事いうんじゃねぇっ!」
「ま、なんだかんだいって、いい奴なんだよアイツは・・・・大切な人を看取るのに、慣れ過ぎちまってるんだ・・・・」
清霜は、敬愛してやまない武蔵の最後を浜風と共に看取っている・・・その浜風も、清霜の目の前で船体を真っ二つにへし折られ轟沈している
そして浜風・・・お前もそうだったな・・・・と言いかけて思いとどまる
今の浜風には過去の記憶がない・・・・言った所で詮無い事である
「それはそうと、浜風・・・その格好は何だ? 野良仕事でもしに来たのか?」
「・・・・え?・・・これ?・・・あの・・・大鯨さんと、夕張さんが・・・これを着なさいって・・・・・変ですか?」
流石に、これから艤装展開を受けようって者には、モンペは違和感ありまくりだった。しかも、ご丁寧に姉さん被りまでしていた
が・・・・
「いや、ま・・・・その・・・・・・・似合ってるけどな・・・いいんじゃないか?」
「そう・・・ですか・・・・?」
そう言うと、浜風はほんのりはにかみながら小さく笑った
《へぇ・・・・これはまた・・・・・かわいいもんだ・・・・・》
浜風たちは、平賀達教導官に付き添われそのまま工廠に入り、その地下にある巨大な格納庫に連れていかれた。エリアが縦横に隔てられていて、それぞれ艦種と型式別に配置されていた
倉庫の割と奥の方が駆逐艦エリアで、その少し先に「甲型」の表記があり、手前から順に艦番で艤装が並んでいた。左側が「陽炎型」で、右側が「夕雲型」になっていた
そこに入り、中程まで歩いた所に《13》の表記を見つける。甲型駆逐艦陽炎型13番艦《濱風》の艤装格納庫である。清霜は同じ甲型でも夕雲型のラストナンバー19番艦なので、格納庫は一番奥にあった。もう一人の担当整備士に連れられ、清霜は最奥へと歩いていく
自分の艤装を見つけた浜風は、
《この大きな機械が浜風のなんだ・・・》
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