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絶撃の浜風
外伝 赤城編 01 ミッドウェーと回想
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敵に出ていた零式水上偵察機から、「十隻の敵らしき艦影」発見の報が、更に一時間後、「敵空母らしきもの」発見の報が続く


 最初の報から数十分後になって麻雲中将はようやく雷装から爆装に換装した装備を、また雷装に戻すよう指示を出した


 この時「飛龍」に乗艦していた第二航空戦隊司令の山口多聞少将はこの指示に対し強く反対したという




「時は一刻を有する。爆装のまま今すぐ発艦し、敵空母を叩くべきだ。」と




しかし麻雲中将はこの進言を却下




「雷装切り替えだ。空母は爆装では沈まん」




 そして、艦内格納庫では雷装→爆装→雷装の換装が慌ただしく行われ、爆弾や魚雷がそこら中に転がっている状態だったという



「こんな所を敵に攻撃されたらひとたまりもないぞ」



格納庫のあちこちでそんな声も聞こえたという


 そして換装を終えて第一陣が発艦しようとした矢先にエンタープライズSBD艦爆隊の攻撃を受け、加賀に四発が落とされ爆発炎上、そして赤城には・・・たった一発の500キロ爆弾がエレベーター付近から飛行甲板を突き破って炸裂、格納庫に転がる陸用爆弾、艦攻、艦爆に次々と誘爆し、それが赤城の致命傷となった
 一発の雷撃も受けていなかった赤城は、艦体や機関に左程ダメージを受けていなかったにもかかわらず、誘爆によって内部から焼き尽くされていった。セイロン沖海戦での教訓が全く生かされていなかったのだ



 疲弊した兵に新兵を加えた編成、敵空母の位置情報がわからないままの出撃強行、利根4号偵察機からの報告で迅速に判断、対応しなかった事(爆装のまま直ちに出撃すべきであった)、換装中の索敵を厳にしなかった事・・・・


 実際、加賀の飛行隊は散発的に出現する雷撃隊の攻撃を凌ぐため、決死の防空戦をしていた。低空の攻撃に気を取られ、上空から急降下爆撃を敢行するエンタープライズSBD隊の攻撃に気付かなかった


 しかも、エンタープライズから発進したSBD隊は、麻雲が否定した艦戦の直掩機をつけないで発進した艦爆隊だった。確かにSBD隊は相当数が撃墜されていた。だが、彼らはその犠牲に見合うだけの戦果をあげていた・・・・・第一機動部隊の全滅という戦果である



 ここに、麻雲中将とスプルーアンス少将との器の違いを感じずにはいられない・・・




 これらは全て本山六三八司令長官と麻雲中将の采配一つで回避できた事であった




更に言えば、米軍は日本側の暗号通信を既に解読しており、麻雲機動部隊の動向は筒抜けだった



 圧倒的な規模を誇る大日本帝国連合艦隊に対し、米軍側は雪辱に燃える「エンタープライズ」に加え、「ホーネット」「ヨークタウ
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