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絶撃の浜風
外伝 赤城編 01 ミッドウェーと回想
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で伸びた戦線に兵站を確保する事自体が困難である。ましてや相手はあのアメリカである


 そこへ日本へ降って湧いたチャンスが訪れる。ドイツのエルヴィン・ロンメル元帥がスエズ運河に向けて進軍を開始したのである

 当時の北アフリカ戦線は砂漠地域の戦いであり、兵站能力が極めて重要であったのだが、ドイツ海軍は英国海軍に比して弱く、イタリア王立海軍はマタパン岬沖海戦でザラ級重巡洋艦の多くを失っていた上、深刻な燃料不足で活動が制限されていたばかりか、王立空軍の横槍で制空を担う為の空母を保有していなかった。そのため、補給の拠点としてのマルタ島周辺の制海権が極めて重要であったにもかかわらず、英国海軍にいいようにされていた


 そこで大日本帝国としてはこの好機を逃がさず、スエズ運河を超えて地中海の制海権を抑え、ロンメル機甲師団の兵站ルートを確保し、同時にイタリア王立海軍に不足している燃料と航空戦力を供給し、一気に連合国軍を押し返す案が検討された


 アメリカが国力にものを言わせて本格的な反抗作戦に出る前に、早期に英国を屈服させるという、南方作戦の本来の目的に立ち返り、それに賭けようとしたのである


 だが、ここでまたしても本山六三八連合艦隊司令長官が異を唱え、今頃になってやはりハワイを占領しようと言い出したのである。その足掛かりとしてミッドウェー島の攻略をするべきだと


 無論これも周囲の反対を受けるが、海軍軍令部総長、所謂海軍の実質的なトップである長野修己がこれを黙認した事と、運悪く同年4月18日に行われた日本への無差別空襲であるドゥーリットル空襲が重なり、日本国民の反米感情が高まってしまい、結局この作戦が行われてしまったのである


 

 

 これまでアメリカ軍に対し連戦連勝であった大日本帝国海軍であったが、機動部隊の乗員は南方作戦における長期の連戦で疲弊しきっていた。更に数多くの新兵の加入による再編もあり、古参の兵の休息と、新兵の教練などが明らかに不足していた


 要するにこの時の一・二航戦は、本来の戦闘力には程遠い状態にあったのである


 それに加え、K作戦の失敗により敵空母の位置情報も掴んでいなかった


 乗員の休息と新兵の教練の不足、それに敵の位置情報の把握など、明らかな準備不足を理由に源田と山口は同作戦の延期を申し出たが、本山はこれを却下


 全てが準備不足のまま無情にも奇襲作戦実施の日時だけが決定され、律義に(馬鹿正直に)それを実行した


 敵の位置もわからないまま出撃した状態での索敵は混迷を極めた


 敵空母がなかなか発見できず、麻雲中将は敵空母が当海域を離脱したと判断し雷装を爆装に換装させミッドウェー島攻撃に切り替えた


 ところが利根から索
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