マスターからの贈り物
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。
だが、トレギアは爪で応戦し、さらに蹴りでウィザードを怯ませる。
「ぐっ!」
「ほらほら。大丈夫かい?」
せせら笑いながら、トレギアはウィザードの顔面に指さす。
「このっ!」
ウィザードは蹴りでトレギアの指を弾き、さらに指輪を入れ替える。
『バインド プリーズ』
「無駄だよ。そんなもの」
発生した炎の鎖。だがトレギアは、空を爪で裂く衝撃波で相殺させる。
それは、何度もウィザーソードガンとの激突を繰り返し、やがてウィザードを追い詰めていく。
「どうしたんだい? やはり、ノアの残滓がいないと私には勝てないということかな?」
「まだ……まだだ!」
ウィザードは剣と蹴りを織り交ぜた攻撃で、トレギアを攻め立てる。
だが、両手を腰で組むトレギアは上半身の動きだけでウィザードの攻撃を避け続ける。
「フン……」
「!」
やがて、トレギアの反撃。手から放たれた黒い雷に対し、ウィザードはソードガンを放り捨て、すぐさま天井のパイプを掴み、逆上がり。
ウィザードの背中をかする、黒い雷。その痛みに、仮面の下で口を歪めながら、跳び蹴りを放つ。
トレギアの胸に命中した蹴りには、流石の彼も怯む。
ウィザードはさらに狭い工場内でパイプを伝い、トレギアの背後に回り込む。そのまま、足技を使い、どんどん追い詰めていく。
「何……!?」
「まだまだ!」
さらにウィザードは、回転蹴り。その合間にも、さらなる指輪を使用した。
『ビッグ プリーズ』
巨大化によって威力が上がる蹴り。それは、トレギアへの攻撃の威力を増していく。
「少しは……やるじゃないか……!」
トレギアは感心し、再びその目から光線を放つ。
だが、それに対するウィザードはもう動き出していた。
隣にある鉄パイプを掴み、それを軸に体を回転。
赤い光線を空ぶらせ、そのまま遠心力を利用してジャンプ。一気にトレギアへ接近、蹴りを放つ。
「っ!」
「俺の攻撃は、魔法だけだと思わないことだね」
だんだん追い詰めていく手応えに、ウィザードはぎゅっと拳に力を込める。
「行ける……! 今度こそ……!」
「どうかな?」
トレギアは首を傾げる。
そして。
「マスターからの贈り物だ。味わってくれ」
現れた、闇。
ウィザードとトレギアの間に割って入るそこからは、青く太い柱。
ワニのような口が、ウィザードの肩に食らいついた。
「っ! こいつは……!?」
やがて、闇からその全身を表す怪物。青い体と、その内側には反対に紅色の肌を持つもの。背中からは無数の棘が突き出ており、自然な生物とはとても思えない。その全身の表皮からは、ポロポロと欠片が零れ落ち
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