暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
廃工場
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
び去って行った。

「美炎ちゃん! ……ああもうっ! ハルトさん!」

 可奈美は、美炎の後を駆けながら、スマホを取り出したのだった。



 ソロを見失った。
 そう判断したころには、すでに日が暮れていた。
 ソロを追いかけることを諦めたハルトは、改めて可奈美から聞きだした、美炎が向かった場所へ向かった。
 それは、見滝原南。工業団地が栄える、その一角だった。現在は使われていない廃工場へ、美炎は姿を消したらしい。

「可奈美ちゃん!」

 そこで待つ可奈美へ、ハルトは呼びかけた。

「ハルトさん!」
「可奈美ちゃん、美炎ちゃんは?」
「それが……見失っちゃって」

 可奈美は、廃工場を指差しながら言った。

「この工場に入っていったんだけど、ここかなり広くて……それに、本当にトレギアとコヒメちゃんがここにいるのかも分からないし……」
「少し落ち着いて」

 可奈美の肩を抑えながら、ハルトは彼女を落ち着かせる。

「そもそも、なんで美炎ちゃんはここに来たの?」
「それは……」

 可奈美は言葉を失ったようだった。

「私も分かんないんだけど……なんか、目が赤くなったような……?」
「何それ。刀使って、そんな能力あるの?」
「ううん……私も初めて見たよ。それより、本当にここに、トレギアがいるのかな?」
「そんなこと言っても、他に手がかりもないしなあ……」

 ハルトはそう言いながら、指輪を取り出す。

『ガルーダ プリーズ』

 赤い魔法陣によって作り上げられる、鳳凰の形をした使い魔。
 鳥の形をしたプラモンスター、レッドガルーダは、ハルトが付けた指輪によって産声を上げた。

「ガルーダ。ここに、多分トレギアがいるかもしれないんだ。探してみてくれない?」

 だがガルーダは、ハルトの命令よりも可奈美の頭上に移動することを選択した。
 キーキーと声を上げながら、可奈美の頭に乗る。

「ガルーダ……」

 だが、索敵を主任務としている赤き使い魔は、「いやいや」と言わんばかりに体を振る。

「ガルちゃん。お願い。一緒にトレギアを探そう?」

 ところが可奈美がお願いすると、ガルーダは一鳴きで飛んで行く。

「ああ、おい! ……アイツ……」

 主であるはずのハルト以上に、可奈美へ忠実になっているガルーダを、ハルトは細めた目で見送った。

「はあ……まあ、いいや。それじゃあいっそのこと、可奈美ちゃんはガルーダと一緒に回ってみて。連絡はなるべく小まめにやってね」
「分かった」

 可奈美は頷いて、ジャンプ。ガルーダの後に続いて、二階のフロアへ消えていった。

「可奈美ちゃんは上か……じゃあ、俺は下からか」

 可奈美と別れてから、ハル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ