廃工場
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「何!?」
「やっぱり……美炎ちゃんは、六角さんと一緒にいて待ってて」
「え?」
その言葉に、美炎は目を丸くした。
「待っててって……どういうこと!?」
美炎の言葉に、可奈美は唇を噛んだ。
「ここから先は……私たちで」
「私たちって何!?」
再び美炎の目が赤くなる。
「わたしは違うの!? わたしだって、可奈美と同じ刀使だよ! 参加者だよ! なんで……」
「危険すぎるからだよ!」
可奈美はハッキリと告げた。
「私も、そんなにトレギアと戦った回数が多いわけじゃないけど……」
可奈美は、紗夜のことを思い出した。
聞けば、トレギアは紗夜の令呪、およびその魔力を狙い、彼女自身を自らの肉体に乗っ取ったと聞く。
さらに、その状態が続けば、紗夜の命さえも危険だった。
「トレギアは、美炎ちゃんが今まで戦ってきた相手とは違う。友達がそんな危険を、おめおめと……」
「またわたしを置いていくの?」
美炎のその言葉で、可奈美は押し黙った。
美炎は続ける。
「御前試合の時、可奈美は勝手に十条さんを助けて、そのままいなくなった。あの時も、紫様のことを相談してくれれば、わたしだって助けになれたかもしれない! そうすれば、そもそも十条さんがいなくなったりしなかったかも……!」
「あれは、咄嗟のことだったし……それに!」
「今回だって!」
美炎は、可奈美の腕を掴む。
「わたしだって戦える! 何で可奈美は、わたしを頼ってくれないの!? わたしだって、可奈美と舞衣にも負けてないよ!」
「でも……! そもそもこれは、聖杯に祈ってしまったわたしが……姫和ちゃんを助けたいって……」
「わたしだって、コヒメを助けたいって祈っちゃったんだよ!」
「でも……そもそも、トレギアがどこにいるのか……」
可奈美は、その言葉に美炎を諦めさせようとした。
だが。
「……っ!」
赤い目を大きく見開きながら、美炎は周囲を見渡す。
やがて美炎は、見滝原、その一点。南の方角を見つめた。
「……」
「美炎ちゃん?」
「いた……! コヒメ!」
「いたって……? 美炎ちゃん!」
すでに、美炎は移動を開始している。
迷いなく一か所へ進んでいく美炎へ、後ろから可奈美は声を投げ続ける。
「いたって、どういうこと!?」
「分かんないけど……あっち! あっちの方に、美炎がいる気配がする!」
「気配って何!? 美炎ちゃん、そんな特技あったっけ?」
だが、美炎は聞く耳を持たない。
やがて、彼女は足に力を込める。それによって、跳ね上がった筋肉がバネとなり、よりその速度が上がっていく。
すでに意識を定めた地点に向け、飛
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ