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絶撃の浜風
02 マッドでサイコな女
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すごい・・・・」


「これ、全部ここの艦娘の艤装なんですよ。壮観でしょう?」


「・・・ソウカン?」


「あぁ・・・ごめんなさい、とても広くて・・・なんかこう、すごいって感じですかね?」


「・・・うん・・・すごい・・・・」






眼下に広がる景観に圧倒され、浜風は少しばかりはしゃいでいた





日頃あの屋敷から出た事のなかった浜風にとって、鎮守府で見るもの全てが珍しかった









先程受けた衝撃的な事実など、もう忘れているかのように傍からは見えた













いや・・・・・






気にしていないはずがない・・・・・




 日頃御婆様から受けている理不尽な仕打ちに押し潰されてしまわないように、浜風は自分の身に降りかかる出来事を、心で受け止める事をやめてしまっていただけだった・・・



 本人は自覚していないが、浜風の心は・・・・歯車の欠けた時計のように、少しずつ何かが狂い始めていた・・・・













 浜風は、今自分が置かれているこの状況を、さしたる動揺もせず冷静に観察していた。状況に対応するための情報を、無自覚に集めていた





それが、浜風の習い性になっていた









 最初に浜風の目を引いたのは、やはり大淀の存在であった。浜風にとって、普段目にする事象との大きな相違点・・・・それが彼女だった



 どうやらこの人は、自分が困惑している様子を見て気遣ってくれているらしかった。それは浜風にとっては、とても新鮮な体験だった



 


濱乃屋という、《閉ざされた》環境で育った浜風にとって、大人とは、理不尽で恐ろしいだけの存在だった


それが、あの屋敷を一歩出た途端、大淀のような優しい大人の女性に出逢ったのである












外の世界は・・・・ひょっとして濱乃屋とは違うのだろうか?



浜風にとって好意的に手を差し伸べているように映って見えるのは何故だろう?




浜風は、その幼い年とは不相応に賢かった。目の前で起こっている事象を、客観的に認識していた・・・・・


にもかかわらず、それを現実のものとして受け入れる事が出来なかった





それは・・・・浜風が知っているものとは、あまりにもかけ離れていた為、現実感がなかったのである









それでも、浜風にも一つだけわかる事がある


















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