雨の日の日曜日は
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殴りにされてしまう
僕は覚悟を決めて目をギュッと瞑る
『・・・・・・・・・・・?』
なかなか攻撃が来ないので僕は恐る恐る薄目を開く
『・・・・・・・・なに目え瞑ってんのよ、バカッ!』
『えっ?・・??』
『紅茶容れてってさっきから言ってるじゃない!』
『・・・あ?・・・そうだっけ?』
何だかまだ事態が飲み込めない
『キスでもしてくれると思ったワケぇ?・・・バッカみたい!』
『あ・・いや・・・その・・・違うよっ!』
『ん〜〜、もういいからあっ! ほらっ!、さっさと容れるっ!!』
『あ・・・う、うん!』
とにかく、最悪の事態は回避出来たらしい
僕はアスカの気が変わらないうちに慌ててキッチンへ逃げるように向かう
そして、水を入れた鍋をガスにかける
紅茶を容れるのは、何だか久しぶりだった
でもアスカの事だから、きっと突然そう言い出すだろうと思っていた
だから
紅茶以外にも、アスカを喜ばせるために密かに用意しているものがあった
食器棚からティーポットとカップを出し、お湯を注いで温める
冷蔵庫から、昨日手に入れておいた紅玉のスライスの乾物を出し、それをぐつぐつと煮る
温めておいたティーポットにセイロンを入れ、鍋で沸かしたお湯を注ぐ
蓋をしてティーコゼーを被せて蒸らす
一連の作業を淀みなくこなす
それは
もう何度となく繰り返されてきた僕だけのお役目
まるで
時の流れを感じさせなかった
『アスカ、お待たせ』
『お〜そ〜い〜っ!』
待ちかねたように君が口を尖らせる
でも、そんな口調とは裏腹に
居間を紅茶の香りが漂うと
君の瞳は
驚きと期待で色めきたっている
『・・・え・・・・・シンジ・・・・これって・・・!?』
『うん 何だか、久しぶりでしょ?』
『・・・いい香り・・・♪』
それは・・・アスカの大好きなアップルティーだった
『よく見つけたわねえ』
『うん・・・まぁ、ちょっと大変だったけどね』
『へぇ・・・ちょっとだけ・・・・感心しちゃう♪』
『はは・・・まさか君に褒められるとは思わなかったよ』
『ううん、アンタにしちゃ上出来だわっ』
『・・・何か引っ掛かるなあ、その言い方』
『なに言ってんの! このアタシが褒
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