雨の日の日曜日は
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レンディー・ドラマとやらを見ていた
まあ、見ていたというよりも、瞳に映っていただけという方が正しいかも知れないけど
さすがに3回も同じストーリーを見れば、そりゃあ飽きるし真剣になんて見ない
第一、こういうのは中学生の僕にはまだピンとこないしね
それに
多分・・・・僕には色恋沙汰なんて一生縁がないだろうと思えたから
特に、僕の目の前にうつ伏せながら、その長く伸びた両足をもてあますようにぶらぶらさせているこの娘とは・・・・
そもそも、僕は見たいテレビがあってここにいるわけじゃなかったし
そう思った時、ふとアスカの方を見る
彼女も僕の視線に気付き、お互いの目が合う
『・・・・・なによ?』
『いや、別に・・・』
そんな歯切れの悪い僕の返答に失望したらしく、君のご機嫌は大きく斜めになり
『ああ〜ん、もおっ!アンタといると退屈っ!つまんない!!』
『あは、ごめん』
そういいながら、僕は内心ムッとする
《そんなに退屈だったら部屋に戻ればいいのに》
僕だって、本当は自室に篭って好きな音楽を聴いていた方がよっぽどいいに決まってる
なのに
そういいながらも、何故か僕らは居間を出ようとはしない
僕が居間から出ない理由・・・・・
・・・本当は・・・
・・・・・少しでも長く、アスカと同じ時間を過ごしていたかったから
でも、”君”はどうしてここにいるんだろう?
つまらなそうにしながらも、僕の目の前からいなくならないのは何故?
自惚れでなければ
ひょっとして、僕と同じ理由かな?
いやいや、それはないよな
前にも、アスカが僕に気がある素振りを見せたことがあった
その気になった僕は、多分人生最大の勇気を奮ってアスカに『好きだ』って告白したんだけど・・・
あえなく撃沈
しかも・・・
よりによってトウジたちの前でそれを思いっきりコケ下ろされた事があったっけ・・・・
あれは恥ずかしかった
トウジやケンスケ、委員長たちの、同情とも哀れみともつかない表情が忘れられない
結局・・・あの時の僕はアスカにからかわれていただけだった
『・・・・・・・・』
思い出すだけでも、顔から火が出そうだ
だとすると
う〜ん
ひょっとして・・・・
いや、多分そうだ
アスカは、僕の気持ちを知っている
だか
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